新型パナメーラGTSは安定性を機軸にポルシェらしいハンドリングが味わえる
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:ポルシェAG
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:ポルシェAG
パワーとしては+20psに過ぎないが、トルク的には70Nmも底上げされたツインターボの加速力はすこぶる気持ちがいい。環境性能を両立すべく排気系にはこのイヤーモデルからパティキュレートフィルターを装着しているが、90度のバンク角を持つポルシェ由来のV8ユニットは見事に吹け上がる。
面白かったのは、パナメーラGTSがスキール音(タイヤの滑り音)をほとんど立てなかったことだった。これはサーキット走行用に21インチタイヤを装着していたことも関係しているだろうが、やはりパナメーラGTSのリアアクスルステアが無駄にタイヤを滑らせないからだと思う。
低速コーナーでウソのように曲がるパナメーラGTSは、中・高速コーナーにおいても抜群の安定性を示した。路面そのものはフラットながら、要所要所にアップダウンのあるコーナーが仕込まれたバーレーン。丘を駆け上がって左へ、そして右へ。経験的に「慣性で車体が流れそうだな…」と身構えるような場面でも、4輪のグリップはどこも一気に失われることがなく、高い車速を保ったままコーナーを駆け抜けることができた。安定しているけれど、過大なアンダーステアによる“待ち”がない。これはポルシェの技術者が、運転する楽しさのツボを心得ているからこそできるセッティングである。
今回は安全のためにESC(車両安定装置)を完全に切ることは許されなかったが、より制御の介入が緩くなる「ESC スポーツ」を試しても、パナメーラGTSのハンドリングは終始弱アンダーステアが基本となっていた。
正直これだけのシャシー性能と4WDのトルクスプリット能力を持っているなら、もう少しニュートラルステアで積極的なマシンコントロールの領域へと踏み込んでもよさそうだとは感じたが、それは911やケイマンにおける「GT系」グレードの役目なのだろう。ストリートを主戦場としたスポーツサルーンとしては、安定性を機軸にポルシェらしいハンドリングを感じさせるその絶妙さこそが、「GTS」グレードとしての持ち味なのだ。
ちなみにセダンタイプであるパナメーラGTSと、ワゴンタイプとなるスポーツツーリスモの両者におけるハンドリングの違いは、オプションの21インチタイヤを履いた状況ではほとんど差を感じることはできなかった。ストレートエンドや高速コーナーでの安定性も、格納式リアウイングを有するセダンの方が安定性は高いかと思ったが、それはもっと高いスピード域での話なのかもしれない。
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