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新型パナメーラGTSは安定性を機軸にポルシェらしいハンドリングが味わえる

コーナーでの自然なシャシー制御が素晴らしい

まずパナメーラGTSで感心したのは、そのガッシリとしたボディが織りなす安心感。先導車のスピードコントロールによって最高速はストレートエンド230km/h程度に抑えられたが、当然これくらいのスピードであれば恐怖のかけらもない。幅広いトレッドとロングホイルベース、そして標準モデルよりも10mm低められた車高の低さから来る安定性によって、路面に吸い付くようにパナメーラGTSは、V8ツインターボのエキゾーストを響かせてストレートを駆け抜ける。

ちなみに技術者によれば、GTSだからといってそのボディ剛性に新たな追加補強はされていないという。つまりGTS用の足回りに耐えうるだけのボディが、パナメーラには最初から与えられていたことになる。

感動的なのは、ここからだ。1コーナーではそのスピードを殺すべく一気にブレーキング。パナメーラGTSは、リアダンパーをうまく使いこなして、姿勢を前のめりにし過ぎず車体全体で沈み込むように制動をかける。そしてステアリングを切り込むと、その巨体はきれいなライントレースでフロントノーズがコーナーの内側へスーッと入って行く。

これはきっと標準モデルに対して60%高められたサスペンションの剛性に加え、後輪のトー角を可変するリアアクスルステアの影響が大きいのだと思うが、その制御にまったく違和感がないのがまず素晴らしい。そしてターンインの最大荷重時において、フロントサスペンションのブッシュやアームといった取り付け部分に、まったく弱さやねじれを感じないのも恐れ入る。可変制御式の電子制御式スタビライザー(PDCC スポーツ)の踏ん張りも効果を発揮しているのだろう。

だからドライバーは基本通りの運転さえすれば、クリッピングポイントまでにクルマの向きを整えることができ、そこからアクセルを間髪入れず全開にすることが可能になる。そしてパナメーラGTSは4WDのトラクションを活かし、力強く、そして素早くコーナーを立ち上がる。するとどうだ。あの911ターボSを、後ろからつつけてしまうのである!

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