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デビュー直前! アルファ・ジュリエッタに先乗り

攻めてもイケてる

同クラスのライバルと比べてボディサイズが大きめなこともあって、ジュリエッタの車重はコンペティツィオーネで1400kgと軽い部類ではない。けれども、170psのパワーと標準時で23.5kgmのトルクを生み出すマルチエア1.4リッターターボエンジン、それに6段TCTがもたらす動力性能にまったく不足はなく、D=ダイナミック、N=ノーマル、A=オールウエザーのモード切り替えができるDNAを燃費のいいNモードにしてあっても、踏めば必要にして充分な加速が手に入る。

さらに、さぁ走るぞ、というときにはDモードを選べば、さらに爽快な加速を振る舞ってくれることになる。さすがツインクラッチだけあって、TCTがアップとダウンを問わずスムーズなシフトを決めてくれるのも好ましい。もちろん、パドルによるマニュアルシフトを駆使して走るのも愉しい。

乗り心地が快適なのは前に書いたが、それにもかかわらずワインディングロードでのドライビングが愉しいところもアルファロメオらしい。ホイールベースが長く、トレッドも広いキャパシティの大きいシャシーを持っているから、その挙動はアルファのイメージにあるような敏捷なものではないが、すこぶる安定したしなやかな動きのなかに独特のシャープさを感じさせるところに、アルファロメオのDNAを見ることができる。充分な容量を感じさせるブレーキにも好感が持てた。というわけでコンペティツィオーネは、Cセグメントの個性的なクルマを普段の足にしたいというマニアにお薦めしたいモデルだった。

今回の写真にはないが、実は僕は最高性能モデルのクワドリフォリオ ヴェルデも日本でドライビングした経験がある。そこで最後にそれについて付け加えると、235psのパワーと標準時30.6kgmのトルクを捻り出す1.75リッター直噴ターボと、正確で気持ちいいシフトタッチを持つ6段MTを介して前輪を駆動するそれは、走り出すと同時にコンペティツィオーネより明らかに活気ある加速を見せつける。

ではハンドリングはどうかというと、DNAをDにセットしてタイトコーナーからの立ち上がりで全開をくれるようなドライビングをすると、18インチのピレリPゼロを履く前輪がアウトに逃げようとする一方で、あくまでスムーズに必要最小限に近いスロットル開度を与える繊細なドライビングを心掛ければ雨に濡れたワインディングでも安定して速いペースを保てるといった、限界域ではドライバー依存性の高いキャラクターを備えているのもある意味でアルファらしい。北イタリアの名門、アルファロメオから日本に送り込まれた新型ジュリエッタとは、そういうクルマである。

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