アテンザ、ガソリンモデル試乗&開発陣に聞く
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:菊池 貴之
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改めて公道で見て感心するのはデザインだ。確かに現行アテンザの面影を残しつつもエッジは研ぎ済まされ、力感がまるで倍増している。しかもこのフォルムだとFFだかFRだかわからない。ノーズは言うほど短くないし、ある種の堂々とした威圧感をもちつつも十分な居住性を確保している。
つくづく自分は思うがマツダは本当に歴史を重んずるメーカーだ。一時期のホンダのように唯我独尊ではなく、いろんな欧州車、ドイツ車だけでなくフランス車やイタリア車の良さを勉強した上で、自分達の個性を追求している。そういう意味では非常に欧州的で、マジメに自分ならではの技術を追いかけ、テイストを作り込むメーカーだと思う。
さらに感動したのはチーフエンジニアである梶山浩主査が言っていた社内協力体制だ。正直厳しい今の御時世。このミディアムセダンのセグメントも群雄割拠で、欧米はもちろんアジアにも強力ライバルは存在し、それでいて国内はもはやシュリンク傾向。となるとなにかと「無難に作っておけ」になりがち。実際、不況真っ直中の我がマスコミ界なんかでは、週刊誌は隔週に、隔週誌は月刊になり、緩やかに死ぬ方向を選んでいる。
が、マツダに限っては梶山主査いわく、山内社長自らに「妥協するクルマは絶対作るな」と言われたそうだし、普段はケンカする工場側にも「好きにやらせてあげたいなぁ」と言われたという。
ピンチの時こそチャンスあり。マツダは今、全社的に今のSKYACTIVコンセプトをまっとうし、世界をあっと言わせるクルマを作ろうとしているのだ。
重視するのはマツダにしかない「人馬一体感」と「人とクルマが対等になれる関係」。欧州車的にうやうやしく、有り難がって味わうのではない、民主的な上質さとキモチ良さだ。実際去年のCX-5はもちろん、今回の新型もそういうツウをも振り向かせる珠玉の出来になっていると思う。
まさにアテンザ、乗って悔い無しである。
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