ルーテシア試乗、イケてる仏製コンパクト!
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:小林 俊樹
同じフランス車でもネコ足感(あるいはハイドロ風味)を意図的に押し出す昨今のPSA(プジョー・シトロエン)に対して、ルノーは「非フランス人が望むフランス車テイスト」にそこまでコダワらない。
新型ルーテシアはまさにその典型例。街中でフツーに転がしているだけでは、手やお尻から伝わる感触は意外なほどドライである。日本の好事家がフランス車に求めるネットリ感やダイレクト感は、正直いって薄い。今回の取材車が扁平タイヤを履く最上級グレードの「インテンス」だったので、その傾向はさらに強い。
まあ、見た目から想像するよりは路面のアタリも柔らかく、挙動も過敏ではないチューニングにはうまさを感じさせるものの、バネ下がときおりゴトゴトと暴れるのも事実だ。
しかし、そういう低速域でいきなり感動するタイプではないのに、速度を増してクルマに負荷がかかるほど本領発揮……となるあたりも、新型ルーテシアは最新ルノーの典型例である。
そういう"おいしい領域"で走る新型ルーテシアのフットワークは、低速のバタつきがウソのようにしっとりと滑らかに血が通いだして、路面をヒタリとグリップして、さらに上下動の少ない真のフラットライドになる。なんとなくドライで曖昧に思えたステアリングは、高速……それも超高速になるほどストレスの少ないちょうどいい正確さになって、地の果てまでずっと走りたくなる。
従来の4ATだと登り坂で加速が鈍ったりしたが、全域トルキーな高効率ターボの能力を細かくギアを刻んだ6速DCTで引き出す新型は、路面の勾配を問わずにハイペースが維持できる。ああ、この瞬間がルノーだねぇ。
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