元ISオーナー島下泰久 進化したISに微笑む!?
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:篠原 晃一
嬉しい驚きは、それだけには留まらない。続いて乗ったIS350・バージョンLは、更に大きく印象を変えていたのだ。
こちらの走りは、とにかくしなやかさが際立つ。もちろんスポーティな素性は消しようがなく、爽快に走ってくれるのだが、その上に更にバージョンSとは明らかに違った快適なキャラクターが確立されていたのである。
こちらの変更点は更に多岐に渡る。フロントのスプリングはソフト化され、スタビライザーは、より自然なロール感を得るために取り回しを変更。またロアアーム前側ブッシュの特性にも手が入れられた。リアはサスペンションメンバーについては同様で、スタビライザーもバージョンSほどではないが大径化され、これはバージョンSも一緒だが、初期応答性を高めるべくボディ側ブッシュ内壁との接触面が接着固定されていたりもする。ダンパー減衰力にもリファインが加えられた。
これまでのISは、せっかくバージョンS、バージョンLと性格を分けたグレードを展開していながら、走りの面では差別化がいまひとつ甘かった感がある。端的に言って、バージョンLや標準グレードは、もっと乗り心地が良くても良かった。ISの基本プラットフォームは元はと言えば旧型クラウンから使われているもので、傾向として、あまりストロークを出し過ぎると上屋の姿勢が安定しない感があるが、新しいバージョンLはギリギリのうまい落としどころを見つけたようで、そこに向けた丹念なつくり込みによって、より期待値に近い走りの世界を手にすることができた。そんな風に言うことができるだろう。
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