ガソリン代が安くて人気の「ディーゼル車」が徐々に減少する背景とは？ 今後はHEVやBEVが主流に

トヨタ プリウス ハイブリッドシステム

各国で進む「環境規制の強化」

ディーゼル車の減少の背景には、各国で進む環境規制の強化が大きく影響しています。

ディーゼルエンジンはガソリン車に比べて燃費性能に優れる利点がありますが、一方で窒素酸化物（NOx）や粒子状物質（PM）の排出が課題となってきました。

とくに、欧州や日本では、排ガス基準が年々厳格化されており、自動車メーカーは高度な浄化装置や新しい制御技術を導入せざるを得ません。

その代表的なものとして「尿素SCRシステム」や「DPF（ディーゼル微粒子捕集フィルター）」が挙げられ、これらはNOxやPMなどの有害物質を除去する効果があります。

しかし、これらは開発コストや車両価格の上昇の要因ともなります。

さらに、2015年にはドイツの大手自動車メーカー、フォルクスワーゲンがディーゼル車に不正な排ガス制御ソフトを搭載していたことが発覚し、実際の走行時には規制値以上の汚染物質を排出していた問題も起こりました。こうした事例は、ディーゼル車の信頼性や環境性能に対する懸念を強めています。