新型「アクア」と「ヤリス」を比較してみてわかった“性格の違い”
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:篠原 晃一 113
掲載 carview! 文:伊達軍曹/写真:篠原 晃一 113
遅ればせながら新型トヨタ「アクア」に試乗した。本稿では、新型アクアと車格や価格がきわめて似ているトヨタ「ヤリス」との違いは果たして何なのか? ということを中心に据えながら報告したい。
まずは外観デザインについて。初代アクアのそれは――もちろん感じ方は人それぞれだろうが、美的センスという点においては疑問符を付けざるを得ないものだったと思っている。が、新型のそれは世界基準に達している。
とりたてて美しいとか素晴らしいとは(個人的には)思わないが、エンブレムを隠したうえで「これはフランスの某社がこのたび発表した新型コンパクトカーですよ」と嘘をつかれたなら、「なるほど、そうですか」と普通に騙されてしまいそうな全体のフォルムおよびディテールなのだ。
やや落ち着き過ぎている(=中高年にはいいが、若い世代にはじじむさく感じられるかも)というきらいはあるが、総じて上質な、大人が乗っていても何ら恥ずかしい部分はない外観デザインだとは言えるだろう。
インテリアは、ドア内側の樹脂パネルこそかなりの安っぽさを感じるが、主にドライバーやパッセンジャーの目に入るインパネ周辺やセンターコンソールあたりの質感と造形は「値段(198万~259万8000円)を考えれば十分納得の範囲」といったニュアンスの上質さはある。
ヤリスの同箇所はいささかそっけなく、かつやや古くさいデザインにも感じられることから、いわゆる「小さな高級車」的な存在を求めるダウンサイザーや中高年オーナーは、ヤリスよりも新型アクアのインテリアを居心地よく感じるはずだ。
とはいえ新型アクアのインテリアは決して「小さな高級車」的なものではなく、「まずまず上質なコンパクトカーのそれ」といったニュアンスだ。もしも小さな高級車的インテリアを本気で求めるのであれば、新型アクアでもヤリスでもなく、日産「ノート e-POWER」または「オーラ e-POWER」を選ぶべきだろう。
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