【20位転落の現実】ホンダ「フィット」はなぜここまで埋もれた？ 中身も完成度も高いのに“存在感が薄い”理由を考える

現行型フィット

静かで快適、見晴らしも最高。でも地味すぎた？

現行の4代目フィットは、3代目の反省を踏まえ、2020年2月に登場しました。

デザインテーマは“用の美”。先代のスポーティ路線から一転し、やわらかく親しみやすいスタイルへと生まれ変わりました。

インテリアは見晴らしの良さを重視。ダッシュボードをフラットにし、Aピラー幅を従来の116mmから55mmへと大幅に細くしたことで、前方視界を大きく改善しました。

また、座り心地の向上や乗り物酔いの軽減など、人にやさしい設計が随所に見られます。

もちろん伝統のセンタータンクレイアウトも健在。リアシートの足元スペースはヤリスやノートを凌ぎ、大人4人が快適に乗れる室内空間を確保しています。

パワートレインは1.5L 4気筒エンジン＋2モーター式ハイブリッド「e:HEV」。日産「e-POWER」と同じくモーター駆動が基本ですが、高速道路の低負荷クルージングなどではエンジンが直結駆動に切り替わるのが特徴です。

さらに、ライバルが3気筒エンジンを採用する中で、フィットのみが4気筒を搭載しており、静粛性やスムーズさで優位性を保っています。

2022年10月にはスポーティグレード「RS」を追加し、モーター出力の向上やガソリン車の1.5L化を実施。さらに2024年9月、25年7月にも装備改良が行われ、細やかなブラッシュアップを重ねています。