日産の“はたらくクルマ”と海外専用ピックアップにイッキ乗り
掲載 更新 carview! 文:小沢 コージ /写真:篠原 晃一
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次に気になっていたのは、“はたらくEV”の具合。日産はご存じEVのリーディングカンパニーとして、量産EVのリーフが頑張っているけど、最近テスラをはじめとする新興メーカーに押されている状態。しかし、今年に入ってリーフのバッテリー容量を24kWhから30kWhに増やして航続距離を延ばしたし、同時に「商用車こそEVを」というスローガンの下、LCVのEV化も進めている。
その筆頭が「e-NV200」で、前述のNV200バネットをEV化。今回初めて乗ったが、走りは予想以上に素晴らしい。聞けば、24kWhのバッテリーや最高出力80kWのモーターなど基本はマイチェン前のリーフそのもので、ファイナルギアとブレーキやアクセル制御を変えた程度だという。一見やや頼りないが、EV特有の出足の良さもあって空荷なら十分速いし、ラゲッジ容量もガソリン仕様となんら変わらない。
とはいえ現実に販売はエココンシャスな企業や使用が限定された一部のお客中心で、最大のネックとなるのは400万円前後スタートの価格だ。ガソリン仕様との価格差は200万円以上にもなる。一時は半額程度の補助金が出たがそれも減ってるし、加えて問題はJC08モードで185~190kmの航続距離。実質的には100km台に落ち込むし、仕事に使うにはもうちょい航続距離が必要だ。電池量を増やすとともに、値段を安くするなど頑張るしかない。
はたらくEVでもう一台、テスト車両の「e-NT400」にも乗れた。こちらは小型トラック「アトラス」をベースに、リーフ譲りのバッテリーやモーターを組み込んだ電動商用トラック。予想外の速さに驚いたものの、問題はやはり航続距離でJC08モードで約62km。バッテリーはまだまだ実用段階ではなく、EV化の難しさを思い知った次第。つくづくEVビジネスはバッテリーの飛躍的成長がキモ。燃料代を考えると今の日本でもEVは有利なので、これまた地道に頑張るしかない。
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