三菱の4WD車を北海道で乗り比べ。その実力は?
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:三菱自動車
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まずは、FFをベースにした電子制御4WDモデルであるデリカD:5とRVRをドライブする。テストコースは新千歳モーターランド内に特設した2つのクローズドコースで、ともに最高速度は80km/h程度。中速コーナーとタイトなコーナーを組み合わせ、一部にアイスバーン状の路面μ(ミュー)の低い箇所がある。さまざまなシチュエーションを試すことができるコースと言っていいだろう。
この4WDシステムは、普段はほぼFFで走行する(前輪85%、後輪15%)。そして前輪が空転したり安定確保が必要な加速時に、電子制御カップリングを介して後輪にトルクを伝える(最大で60%)。どのタイミングでどの程度のトルクを伝えるかは、アクセル開度、エンジン回転数、車輪速といったパラメータから算出する。このシステムの長所として、路面や走行条件に応じて前後輪へのトルク配分を適切にコントロールすることで、燃費が向上することがあげられる。
前輪が空転してから後輪へトルクを伝えると書いたけれども、実際にドライブしていると、滑り始めたかどうかという早いタイミングで後輪へのトルク配分が始まっているように感じる。この状態を試すために、横滑り防止装置「ASC(アクティブ スタビリティ コントロール)」のボタンを長押しして、作動をカットしてみる。
すると前輪がスリップするのとほぼ同じタイミングで、後輪の駆動力が増した。面白いのはミニバンのデリカD:5とSUVのRVRでは少しフィーリングが異なることで、デリカD:5のほうがより安定方向、RVRのほうが曲がりやすい方向にセッティングされているように感じた。同じシステムでも、車種によって味付けが違うのだ。このあたりが、電子制御の妙味だろう。
試乗コース程度のスピードなら、この4WDシステムで何の不満も不安もない。けれども、アウトランダーに乗り込むと、「こちらのほうが明らかに優れている」と思わざるを得なかった。
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