【見た目はそっくり】「ベルランゴ」「リフター」「ドブロ」この3兄弟の違いって? 探ってみたらみんなキャラが違くて濃かった話
掲載 carview! 文:小林 和久(株式会社ヘンシュウシャ) 21
掲載 carview! 文:小林 和久(株式会社ヘンシュウシャ) 21
いきなり私事ですが、シトロエン「ベルランゴ(現行モデル前期型)」に乗っています。
とあるきっかけで前職の会社にあったオロシタテのベルランゴに乗る機会があったのですが、「シトロエンという割には乗り心地硬いな。やはり商用ベースはそんなもんか」というのが最初の印象。ところが、再び乗る機会に恵まれたとき「おお! しなやかな乗り心地になってる! 味変したのか?」と思いました。もちろん改造などはしておらず、走行距離が2万kmを超えていたのが理由でした。
フランス車は「しばらく走らないと本来の足の良さが出てこない」などとよく言われますが、間を空けて、距離を走った同じ個体に乗るというあまりないシチュエーションに遭遇していたわけです。感動して、ベルランゴを買うことにしました。
“シトロエンらしい”とよく表現されるしなやかな乗り心地はもちろん、長距離を走っても疲れないシートで、助手席や後席に乗った人には必ず「乗り心地いいですね」と言われます(僕よりかなり多くの車種に乗ってるはずのCGの加藤社長をお乗せしたときもそうおっしゃってました)。
トルクフルで扱いやすいディーゼルエンジンは、普段使いでおよそ15~17km/Lくらいの好燃費。峠などでもそれなりにいいペースで安定して走れます。ほぼフラットになる後席と荷室で、車中泊も何度も快適にこなしてます。
そんな道具として、日常の相棒として、最高に愛着が湧いているベルランゴですが、実は兄弟がいます。プジョーブランドの「リフター」と、フィアットブランドの「ドブロ」です。
この3ブランド、かつてはそれぞれ独立した会社でしたが、現在はStellantis(ステランティス)という世界の15ブランドがひとつになった会社に属しています。
国内では、Stellantisジャパンがこの3ブランドの他に「アバルト」「アルファロメオ」「DSオートモビル」「フィアットプロフェッショナル」「ジープ」などのブランドを取り扱っています。
グローバルでは、日本でも聞き馴染みのある「クライスラー」「ランチア」「マセラティ」「オペル」なども含まれています。「マセラティ」は「マセラティジャパン」が国内で取り扱っています。
さて、3兄弟とも、基本的なシルエットは同じでスイング式のフロントドアとスライド式のリヤドアがありますが、国産ミニバンや軽自動車にさえ装備される電動スライドドアはありません。
四角くて使い勝手のいい大きな荷室へのアクセスは、下からガバっとテールゲートを開けるだけでなく、リヤウインドウ部分のガラスのみの開閉でも可能で、これが思いのほか便利なのです。
そして、それぞれに5人乗りの2列シート車と、7人乗りの3列シート車があります。
エンジンはいずれも1.5リッターのターボディーゼルエンジンが搭載されます。トランスミッションも、3車ともにアイシン製の8速トルコンATで共通しています。

<シトロエン ベルランゴ(現行モデル前期型)>
(次のページに続く)
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