レンジローバー・スポーツ ニュル8分台の走り

ニュルのラップタイムが8分35秒前後！

オフロードの泥んこ大会が終わると、プロチームが入念に洗車してタイヤの亀裂などをチェックしてくれる。そして問題がなければ、飛行場に設置された特設コースでオーバー250km/hのスピードを試すのだ。フル加速して楽々と280km/hのスピードに達することがでるが、ブレーキもABSが作動するほど目一杯踏むことができた。しかも、ステアリングから両手を離していても真っ直ぐに安定したまま停止してしまう！　この加速性能とブレーキ性能は文句なくトップレベルで、カイエンGTSとも勝負できると思った。

ハイスピードテストはV8SCだったが、どちらのエンジンを選んでも同じシャシー性能が手に入る。エンジニアに聞くと、ジャガー Fタイプをセットアップしたジャガー・ランドローバー社のシャシー部門のエキスパート集団がレンジローバー・スポーツのサスペンションをチューニングしたそうだ。ノーマルモードではしなやかなサスペンションの味を堪能できるが、スポーツモードに切り替えるとFタイプとバトルできるほど強靱なサスペンションに変貌して、ニュルブルクリンクを8分35秒前後でラップすることができる。

ハンドリング性能に寄与するのはブレーキ制御を利用した電子制御によるベクタリング機能だ。左右タイヤに駆動力差を与えることで、自在に旋回モーメントをアシストできる。アンダーステアになると内輪にブレーキを介入させ旋回モーメントを補強する。オーバーステアはその反対だ。

パッケージでユニークなのは3列目シートが設定されることで、ファミリーカーとしてはとても便利だ。兄貴分のレンジローバーは英国首相も公用で使うほどのセレブな高級車だが、レンジローバー・スポーツはオフロード性能を一切妥協しないまま、スポーツカーに近いダイナミックなパフォーマンスと実用性の高さを両立してきた。