クアトロポルテの入門グレードに試乗。マセラティが進めるブランド改革とは?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一
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クアトロポルテには最高出力530psの3.8L V8ターボを搭載した「クアトロポルテ GT S」、410psの3L V6ターボを搭載した「クアトロポルテ S」、4WDの「クアトロポルテ S Q4」の3種類があったが、今回試乗したのは新たに加わったエントリーグレードの「クアトロポルテ」。エンジンはSと同じ3L V6ターボだが、最高出力は330psとなる。1175万円という価格に対し「安い」、と書くのにはためらいを感じるものの、Sが1371万円、GT Sが1834万円することを考えると、相対的に安いのは間違いない。
クアトロポルテはかなりデカくて重いクルマだ。しかし、走り出すとそれをまったく感じさせない。タイトなS字の切り返しでもノーズはヒョイッと向きを変え、揺り戻しは一切なし。ワインディングロードでの身のこなしはまさにスポーツカー的だ。かつてのクアトロポルテのようなトランスアクスルではないが、エンジンをフロントミッドに置くことで実現した50:50という理想的な前後重量配分が、こういった特性を後押ししている。BMW 7シリーズも50:50だが、クアトロポルテの場合、味付けの段階でよりソリッドな身のこなしを強く意識している。
その反面、荒れた路面では足がちょっと突っ張り気味で、尖った段差を通過したときなどはビシッという直接的なショックを伝えてくる。とはいえ決して不快な乗り心地というわけではなく、こうしたソリッドなフットワークを好む人も少なくないだろう。
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