クアトロポルテの入門グレードに試乗。マセラティが進めるブランド改革とは?
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:篠原 晃一
華麗なエクステリアに対して、レザーとウッド、クロームとアルミとプラスティックで仕上げられたインテリアには、少し物足りなさがある。イタリアの高級車、とりわけマセラティともなると、どうしても「匠の技」をたっぷり使った手工芸品的インテリアを期待してしまうが、そのあたりがちょっと物足りない。どこか無国籍風な雰囲気だし、クロームの艶の深みやレザーの手触り、ウッドパネルの美しさにも特段驚かされることはない。むしろ、かつてのマセラティを知る者にとっては、ATセレクターやナビゲーション周りのプラスティッキーさがどうしても鼻についてしまう。
これはおそらく、後述する「ブランド改革」と関係しているのだと思う。よくいえば個性的、悪くいえば独善的なクルマ作りをしている限り、販売台数の飛躍的な増大は望めないという判断の下、より多くの人に好まれる常識的なテイストを与えてきたのではないか、ということだ。
たとえば、かつてのマセラティのレザーは抜群の手触りと引き替えに耐久性に問題を抱えていた。ウッドパネルもそう。長く使っていないので断言はできないが、見た目や手触りから想像するに、新型クアトロポルテのレザーとウッドは、特別な手入れをしなくても長期間にわたって風合いを保つようつくられているはずだ。
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