Eクラス海外試乗後編 ベンツ安全技術、詳解
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:メルセデス・ベンツ日本
歩行者保護の技術も進んでいる。新型Eクラスでは歩行者がフロント前面にぶつかると、機械式でボンネット後端がはね上がる「ポップアップ・ボンネット」が採用された。機械式なので簡単に元の位置に戻すことができる。
ところでなぜボンネット後端を跳ね上げると歩行者保護に効果があるのだろうか?
実際の事故調査やダミー人形によるシミュレーションの結果、クルマの正面に人間がぶつかった時、人間の頭部がワイパーの部分に当たるともっとも被害が大きくなることが分かっている。そこでボンネット後端を跳ね上げることで頭部の被害を低減することが可能となる。
日本では2005年から歩行者保護法を制定しており、その対策としては有効だ。しかし、実際はボンネット・ヒンジやワイパー部分の構造を工夫することで対応しているクルマもあるので「ポップアップ・ボンネット」の有無だけで安全かどうかは判断しにくい。興味がある人は日本のJNCAP(http://jafmate.jp/sp/ncap/)やイギリスのEURONCAP(http://www.euroncap.com/home.aspx)などの各国政府の安全情報公開を参考にすると良いだろう。
メルセデスが取り組む「むち打ち低減」にはネックプロと呼ばれる技術がすでに実用化されている。後ろからの追突を受けると自動的にヘッドレストが前方に移動し頭部をしっかりと拘束してくれるので、頸椎への衝撃が緩和される。もちろん新型Eクラスには全車標準装備だ。
また、子供の安全のためにはISOFIXと呼ばれるミスユースを防ぐチャイルドシートの固定システムが採用されていることは当然。チャイルドシート下部は2点で取り付け、上部はテザーベルトでしっかりと固定される。さらにオプションで用意されるメルセデス純正のチャイルドシート(内蔵型)には側面衝突に効果的なサイドヘッドレストが備わる。メルセデスは子供から高齢者、また小柄な乗員を考慮した衝突時の乗員保護性能を実現している。メルセデスはこうした技術を「インディビデュアル・セイフティ」と規定している。
メルセデスのエンジニアに「衝突安全の基本は何?」と聞くときっと「シートベルトとボディ」と答えるだろう。多くの人が期待する「エアバッグ」はあくまでも補助拘束装置として位置づけられているから主役ではない。それゆえエアバッグにはSRS(Supplement Restrain System)と記載されている。
もともと日本と欧州ではシートベルトだけでは守れない激しい衝突から生存空間を保つためにエアバッグを採用した経緯がある。アメリカではシートベルトをしていない乗員もエアバッグで救うという法律(私は悪法だと思っているが)があるのでエアバッグの出力は大きいのが一般的であった。そこで新型Eクラスでは二段階で出力を制御するスマート・エアバッグが開発されたのである。
さて、ここで話題にしたいのはエアバッグではなくボディ構造だ。1950年代に活躍したメルセデスのベラ・バルニーさんは「安全の父」と呼ばれた人で、世界で初めてエネルギー吸収構造ボディを考案している。それ以来、乗員を事故からサバイバルさせるにはエンジンルームやトランクルームでしっかりと衝突エネルギーを吸収するボディ構造が不可欠という彼の考えが世界中に普及した。前後の衝突でエネルギーを吸収することは「クランプルゾーン・ボディ」と呼ばれ、荷重分散と合わせて、安全ボディ構造の基本原理となっている。しかし、側面衝突では衝突エネルギーを十分に吸収できるスペースがないので、変形が少ない超高張力鋼板を使って設計している。新型Eクラスのホワイトボディをみると、荷重分散とエネルギー吸収をいかにバランスさせるのか、エンジニアの工夫が随所に見られる。
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