N-WGNは見た目よし走ってよしの隙がほとんど見当たらない国民車だった
掲載 更新 carview! 文:伊達軍曹/写真:篠原 晃一 75
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ノンターボエンジンがもたらす加速感は、最初のひと転がりかふた転がりこそ「遅えな……」と感じるものの、三転がりしあたりからは「おっ、けっこう速いじゃないか!」という印象にガラリと変わる。「何人たりともオラの前を走らせねえ!」みたいな人は別として、マトモな神経を持つ常識人であれば、そして主に平地での使用を前提としているのであれば、わざわざターボ版を選ぶ必要はないだろう。
ただ、「通勤や買い物には山を1つか2つ越えることになります」という地域にお住まいの方は、ターボ版を選んだほうが満足できるはず。ややキツめの上り坂が続くシーンでは、新型N-WGNのノンターボエンジンは「まあ普通に登るは登るのが、ちょっとうるさくてかったるい」という印象に変わってしまうのだ。
高速道路においても、ノンターボ版は「いちばん右の追い越し車線をガンガンリードして走る」みたいな使い方には(当たり前だが)向いていない。速度だけでいえばそういった走り方も可能なのだが、前述の「やわらかサス」のせいか、110~120km/hぐらいのレンジだと全体がふわふわと落ち着かない感じとなり、不快かつ不安なのである。
ただ、軽自動車本来の使い方である「80~100km/hぐらいで普通に巡航する」という使い方であれば、ノンターボ版であっても何ら問題は感じなかったことは付記しておきたい。そういった使い方をする限りは、ノンターボ版新型N-WGNの車内は高速道路であってもひたすらに快適である。そこそこ背が高い車だが、風切り音もきわめて小さめだ。
またこれも本来の使い方からは外れているが、タイトなカーブに「あえて突っ込み気味」で入ってみた際も、前輪が外側に逃げていく感触はほぼ皆無で、N-WGNのタイヤは最後までスキール音もほとんど立てないまましっかりと路面をとらえ続けたことは、いちおうご報告しておく。
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