脱ランフラットを望みたいが新型BMW 3シリーズはもう先代には戻れないほど大幅な進化を遂げた
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:小林 俊樹
まとめると、見て触れて乗ってみて、まさに「もう先代には戻れない」仕上がりの良さだったといえる。特に走る、曲がる、止まるに関しては、やはりBMWならでは、3シリーズならでは、を強く確信できる良さが存分に感じられた。
一方で気になったのは、Mスポーツであるがゆえの乗り心地の荒さ。これだけ高剛性になってサスペンションも極めて優れた動きが可能なのに、オプションとなる19インチのランフラットの硬さから来る低質な入力は返す返す残念な部分。おそらくランフラットでないだけで、19インチでも相当に優れた乗り心地を実現し、それがそもそものMスポーツならではのサスペンションセッティングと相まって、スポーティなハンドリングとの見事なハーモニーを味わわせてくれるはずだ。
そして今後試乗が叶うだろう18インチサイズを装着した320iなどならば、走りにはさらに高い評価を与えることになると予測できる。もっともそれでもランフラットでなければもっと…というエクスキューズがつくのだろうが…。それにしてもライバルCクラスもランフラットをやめたし、そもそもBMWでもMモデルはフィーリングを追求してランフラットを採用していない。それに日本はアメリカ等と違って、パンクしてもサバイバルするような状況に陥るようなインフラ空白地帯も少ない。そう考えると僕としては、日本に導入するBMWのノーマルモデルは非ランフラットタイヤを望みたい。いうならば、せっかくの美味しい料理が盛られている器や食器のせいで上手く味わえていない…的なものを覚えるのだ。
それはさておき、オーバーオールではやはり圧倒的な仕上がりだった新型3シリーズ。このモデルによって最大のライバルCクラスには確実に迫ることができるはず。そして場合によっては逆転もあるか? とも思える。果たしてこの新型3シリーズの売り上げがどう推移していくかも含めてウォッチしていきたいところだ。
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