新型ヴェゼルは完成度でハイブリッド有利だが課題は静粛性。ヤリスクロスやキックスと比べると?
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦 173
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦 173
新型のハイブリッドシステムは基本的にモーター駆動である。EVのようにスムーズに発進し、変速ショックなく加減速する。エンジンは必要に応じてかかるが、それは駆動のためではなく発電のため。これがこのシステムの特徴だ。時々こうしてエンジンがかかって発電するからこそ、大きなバッテリーを搭載しなくても電動車として成立している。
ただしエンジンがかかるタイミングは自動制御されるので、ドライバーが予期しないタイミングで突然かかることもある。ガソリンモデルなら常に発生していて気にならない音なのだが、時々突然かかるとうるさく思える。この不定期に発するエンジン音への対策をもう少し頑張ってほしい。エンジンの音量、音質で対応すべきか、遮音を強化すべきかはわからないが、もう少し静かな車内を望みたい。
乗り心地は快適だ。路面状況を問わず、落ち着いた動きに終始し、バタつきを見せることがない。超高張力鋼板の使用比率を高め、ステアリングコラムを高剛性化し、フロントサスのフリクションを低減するといった地道な対策が奏効している。4輪のスプリングのバネレートを先代よりも10%落としてソフトな乗り心地を獲得している。ソフトにするとダンパーが底付き(バンプストップラバーに当たる)した際に不快なショックが生じるが、ラバーの特性を最適化することでうまくいなすようにしたという。実際よりも大きなクルマ、Cセグメント以上のモデルをゆったり走らせているように思えるのはこうした対策の効果と思われる。前述の車重の重さも、この面では有利にはたらいているのかもしれない。
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