新型ヴェゼルは完成度でハイブリッド有利だが課題は静粛性。ヤリスクロスやキックスと比べると?
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:望月 浩彦 173
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フルモデルチェンジによって、ADAS(先進運転支援システム)や予防安全装備もアップデートされ、ライバルと同等以上の性能が備わった。ボディの下に足をかざすだけでリアハッチを開閉できるだけでなく、ヴェゼルはハッチが開いた状態で予約クローズスイッチを押すと、人間が離れると自動的に閉まる機能が付いた。
ブレーキペダルを踏み続けなくても停止保持されるオートブレーキホールドが、いったんエンジンを切って再始動してもオンの状態が維持されるようになったのもグッドニュースだ。クルマを離れた後、再び運転し始め、この機能がキャンセルされているのに気づいた時のイライラがなくなった。
スマホを使って施錠/解錠、始動ができるようになったのも、ポケットをキーで膨らませたくない人、そもそもキーを持ち歩きたくない人にはありがたいはずだ。ただし始動する度にメーターに表示される認証番号をスマホに入力する作業はやや面倒。全体として使い勝手が大きく向上する地味な変化が数多く見られる。
今回の試乗では、もう少し力強さを感じさせてくれたらという第一印象を抱いたが、もう少し長時間、長距離を試して多角的に評価したい。特に今回試せなかったe:HEVの4WDは、リアにモーターを配したいわゆるe四駆ではなく、プロペラシャフトを用い、常時リアにも少しトルクを配分し、必要が生じれば大トルクを配分することも可能なタイプであり、ぜひ路面のミューが変化するような悪路でも試してみたい。
悪路といえば、ヴェゼルのハイブリッドはロードクリアランスが195mm確保されている。これは優秀。やや深い積雪を走行する場合や、凹凸のある路面でボディ底部を打ったりこすったりするのを避けるのに有効だ。ただしより悪路を走行する機会が多いであろう4WDは180mmと逆に低くなるのが玉に瑕(ガソリンモデルはFWDが185mmで4WDが170mm)。とはいえヤリスクロスやキックスは全車170mmなので、ヴェゼルはコンパクトな街乗りSUVのなかでは悪路に強いといえる。
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