サイズ拡大で取り回しは？ 乗り心地改善？ マツダの新型SUV「CX-80」のギモンを開発陣に聞いてみた

マツダ「CX-60」（写真：マツダ）

CX-60から乗り心地は改善されたのか？

CX-60では、SUVらしからぬ“人馬一体”のスポーティな走りに定評があった一方、乗り心地にはユーザーからエクスキューズがついた。

今回の取材はあくまでも撮影会ということで筆者を含め取材陣は一切クルマを動かすことができなかったため、乗り心地や走りの評価は今秋の発売まで“お預け”となってしまったのが残念だが、柴田氏はこんなヒントをくれた。

「CX-80は、『乗員“全員”の気持ちの良い時間』というのが1つのポイントとなるクルマ。CX-60の乗り心地という課題は我々も認識していて、基本骨格は共通ながらCX-80の走りは時間をかけて熟成させてきた。乗員全員がしっかりと気持ちよく乗っていただけるという点でかなり熟成を重ねており、そこに一番時間をかけ自信を持って仕上げることができた」

髙橋氏も補足する。

「CX-60とCX-80で基本的コンポーネントは共通だが、CX-60ではラージプラットフォームのポテンシャルを使いきれていなかった。使い切れるように時間をかけ、もう1段上の領域を目指して開発を行った。乗れば明確に違いがわかる」

思えば、CX-8も年次改良でどんどん熟成が進み、最終モデルの走りは自動車ジャーナリストからの評価も非常に高かった。

CX-60の発売から2年余り。CX-60の乗り心地に不満を持つユーザーからしてみれば「熟成は発売前にやってくれ」と言いたい気持ちも山々だろうが、ここまで発売を延期となったことを逆手にCX-80ではフラッグシップにふさわしい熟成された乗り味と走りを期待したい。

いやむしろ、CX-60以上にユーザーからの目は厳しくなっているのかもしれない。先頭打者の躓きを四番打者が取り返せるか、その結果は今秋明らかになる。

（終わり）