S耐富士24hで見えた「水素技術」と「カーボンニュートラル」の現在地。GRが耐久レースに挑み続ける意味
掲載 更新 carview! 文:編集部 1
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2021年の参戦当時、水素カローラはまともに走るのがやっとの状態だった。気体水素は燃料を充填するのに広大なスペースと設備が必要で、側から見れば正直「走るたびにこんな巨大装置が必要なら、水素社会なんて本当に実現できるのか?」と思わせるほどだった。
その後、気体から液体へと燃料を変更したり、燃料タンクの大型化などのカイゼンで設備は小型化され航続距離も伸長。現在では、ほかのレースカーとほぼ同等の距離(一充填で富士スピードウェイを約30周)まで走れるようになった。
昨年までの進化が、“まともに走れる状態”から“レースで何とか戦える状態”までの進化だったのに対し、今回の(1)ストイキ/リーン燃焼の自動切り替えは、より市販化を見据えた次のステップである。
従来は、レースで戦うための出力アップとして、ストイキ状態での水素の燃焼技術を磨いてきたが、GRカンパニープレジデントの高橋智也氏の言葉を借りれば「ある程度手の内化できた」ということで、今後は次のステップとして、燃費を改善するために「リーン燃焼」の技術を磨いていくという。
今回のレース中では、セーフティカー導入中といった一部の時間帯を除けば、ほぼストイキ燃焼の領域で走るため、あくまでもストイキ/リーンの“切り替え”に主眼が置かれており、リーン燃焼の燃費効果を測るまでは至っていない。それでも市販化に向け“指をかけた状態”になったことは間違いないだろう。
実際、GR車両開発部主査の伊東直昭氏によると「(切り替え時に)ドライバーが何か違和感を感じるというのはなかった。非常にたくさんのデータを取っているので持ち帰って分析する必要はあるが、初めてのトライとしてはうまくいったかなと思っている」そうで、当初の目的は達成できたようだ。
また、昨年投入しながらもほかの箇所のメカニカルトラブルにより成果が試せなかった液体燃料ポンプも今回は順調に稼働したそうで、関係者一同ほっとした様子だった。「昨年たくさんのトラブルで苦しんできたんですが、今年はようやくレースができた。『レースができるクルマになった』と言ってもいいかもしれない(伊東主査)」
(次ページに続く)
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