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S耐富士24hで見えた「水素技術」と「カーボンニュートラル」の現在地。GRが耐久レースに挑み続ける意味

S耐富士24hで見えた「水素技術」と「カーボンニュートラル」の現在地。GRが耐久レースに挑み続ける意味

S耐富士24時間レースの様子(写真:編集部)

エネオスが参画しバイオ燃料の実証実験がスタート

TGRによる水素カローラのほかにも、トヨタ、スバル、マツダ、日産、ホンダの国内5社は「共挑」と題し、S耐で次世代技術を一緒になって鍛えてきた。その代表例が「カーボンニュートラル燃料(CN燃料)」の活用だ。

今回の富士24時間レースでは、エネオスがエタノール混合燃料(E20)を提供し、「GR86・フューチャーFRコンセプト(TGR)」と「ハイパフォーマンスX フューチャーコンセプト(スバル)」、「マツダ・スピリット・レーシングRS・フューチャーコンセプト(マツダ)」の3台が走行を行った。今後は日産もこの取り組みに参画する予定だそうだ。

このE20燃料は、これまでテストしてきたCN燃料とは違い、既存の化石燃料由来のガソリンにバイオエタノールを20%混合した低炭素ガソリンのため、CNとしては一歩後退のようにも思えるが、CN燃料への移行の前段階として低炭素ガソリンの普及は必須。

世界的に見れば、アメリカやブラジルなど、トウモロコシやサトウキビを原料としたエタノール混合燃料が普及している地域もあるが、国内ではまだまだ未発達の技術のため、今後“オールジャパン”の技術で自動車メーカーと燃料メーカーが協力し、過酷なレースの現場で開発と実証を行なっていくという。

「エネオスさまの燃料技術を開発をしている方と、弊社(トヨタ)のエンジニア、マツダさま、スバルさまのエンジニアが実際に集まって交流ということはこれまでなかった。将来に向けての技術をどうしていこうか、燃料をどうしていこうか、という会話が生まれているので、(後退ではなく)今どんどん加速すべきという意思を持って進めている(高橋プレジデント)」

水素技術は未来のための技術だが、エタノール混合ガソリンは将来だけでなく“今乗っているクルマ”のための技術でもある。バルブシールなどへの攻撃性などまだまだ未知数な部分もあるが、これが実現すれば、炭素の排出を少しでも減らしながら大切な愛車(旧車)を楽しみ続けることができるため、クルマ好きにとっても決して見逃せない取り組みの1つなのである。

そんな様々な取り組みが行われている中、この先は6月14日~15日にル・マン24時間耐久レースが、6月21日~22日にはニュルブルクリンク24時間レースが控えている。ドライバーにもメカニックにもエンジニアにも過酷極まりない24時間レースに(しかも連続で)TGRが参戦する理由はなんなのだろうか。

「24時間レースに限らず、耐久レースに我々が挑む目的は、『1秒でも、1mでも長く走る』ことだと思っている。それは戦績だけ見ると『勝つこと』につながると思うが、我々は勝つことだけが目的ではない。

『誰よりも長く走る』ことを突き詰めていくと、クルマも鍛えられるし、短時間で考えて判断して行動する必要があり(参加する)メンバーも鍛えられる。今年のニュル24時間に『TG-RR(TOYOTA GAZOO ROOKIE Racing)』というチーム名で参戦するのは、(クルマと人を鍛えるという)耐久レースの原点に戻るということ(高橋プレジデント)」

S耐の現場を取材して常々思うのは「クルマは人が作る」ということだ。つまり、競争力のある商品としてのクルマを作り続けるには、人を鍛えることが必須であり、その最適な場の1つがレースの現場なのだ。

次戦のS耐は、7月5日~6日に宮城県のスポーツランドSUGOで第4戦が、そして7月26日~27日には大分県のオートポリスで第5戦が行われる。年初の「東京オートサロン2025」で大きな話題となった、新開発2.0Lターボエンジンをミッドに搭載する「GRヤリス M コンセプト」がそろそろ登場するのではないだろうか。Mコンセプトの投入で、TGRの挑戦がまた新たなステージへと進むことになる。

(終わり)

◎あわせて読みたい:
>>ミッドシップ4WD×新開発2.0Lターボ。「GRヤリス M コンセプト」は何モノ? 市販化は? 開発主査を直撃した

写真:トヨタ自動車、マツダ、編集部

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  • 2025/6/04 20:43

    違反報告

    トヨタのやってる「全方位戦略」は中国のEVが勢力を増す状況下で採る方策として正しいと思う。
    今 自動車産業や関連企業を巻き込んで流れを作らないと、向こうの動きに合わせる事になってしまい後手にまわる。
    このアプローチが仮に行き止まりだったとしても、ここで作った「繋がり」や「ノウハウ」は普通の開発シーケンスでは得られないモノだ。必ず何処かで「使える」。
    こういった「大胆なアプローチ」や「数字に出ないモノを大切に育てる必要」が今の日本の産業にあると思う。

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