■英語もいいけど、日本語だってカッコいい!
欧州車は以前からアルファベットや数字で表した車名を採用していますが、日本車はクルマの持つ要素やメーカーが訴求したいポイントから付けられた車名も多く存在します。
例えばトヨタ「パブリカ」は英語の「パブリックカー」(Public car=大衆車)を略した造語で、マツダ「ファミリア」は「家族揃ってドライブを」という、自家用車の普及に向かっていた時代背景から、メーカーからのメッセージが込められていました。
さらにホンダ「シビック」は英語で「市民」や「住民」を意味する単語で、当時は「国民車」を意味するドイツ語「フォルクス ワーゲン」(Volks wagen)を意識して名付けられたのではといわれました。
一方で、日本のクルマには、日本語に由来する車名もいくつかあります。
もちろん日本市場にも投入するわけですから、そのクルマに込められたメーカーの思いやメッセージを表現したものになっています。
そこで、和名なクルマ5車種をピックアップして紹介します。
●トヨタ「カムリ」
1980年に「セリカ カムリ」の名前で「4ドアのセリカ」として発売されたカムリは、当時の「カリーナ」と多くの部品を共有する姉妹車で、セリカの派生車種でした。
その車名は「冠」(かんむり)の異なる語形「かむり」から付けられましたが、セリカ カムリの発売時は1.6リッターと1.8リッターのOHVエンジンしか与えられておらず、セリカを名乗るものの人気はいまひとつでした。
FF化された2代目以降は車名からセリカの文字がなくなり、広い室内を持つミドルセダンに生まれ変わりましたが、カムリの姉妹車の「ビスタ」のほうが国内の販売台数では好調に。
しかし、カムリが世界各国に輸出されると、とくに北米市場ではベストセラーカーとなるなどの高い人気を得て、トヨタの屋台骨を支えるクルマに成長します。
現行のカムリは10代目で、国内仕様は全グレードがハイブリッド車となりました。スポーティな「WS」も追加されるなどラインナップも充実。
北米では日本車としてトヨタ「RAV4」に続く第2位の販売台数を誇っています。
●日産「フーガ」
日産「フーガ」は、日本で長い歴史を持っていた高級セダン「セドリック/グロリア」の後継車として2004年に発売されました。
海外では日産の高級車ブランドである「インフィニティ」のモデルとして、販売されています。
高級車にふさわしい名前となるように、複数の旋律を積み重ねた楽曲構成のように「優美さ」と「ダイナミックさ」が調和した状態を表現するとして、音楽用語の「Fuga(イタリア語:フーガ)」と、みやびな趣のある「風雅」をかけて、「フーガ」と付けられました。
2010年に「プレジデント」と「シーマ」が販売終了となり、2年後にシーマの生産が再開されるまでは、国内市場でフーガは日産のフラッグシップカーとなります。
また、2012年か2016年には「プラウディア」の名前で三菱にOEM供給されていました。
現行モデルでは3.5リッターエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドもラインナップされるなど、環境性能も進化していますが、販売台数はライバルのクラウンに遠く及ばないというのが現状です。
●スズキ「キザシ」
スズキ「キザシ」は2009年に発売された、2.4リッターのエンジンを搭載した4ドアセダンです。北米や、欧州、中国などでも販売されたグローバルカーで、同時にスズキのフラッグシップカーでした。
ボディサイズは全長4650mm×全幅1820mm×全高1480mmの3ナンバー車で、外観は欧州車テイストのスポーティなデザインに。
開発時には欧州や北米で走行テストを重ね、四輪独立懸架のサスペンションによる上質な走りと、快適な乗り心地の両立を目指したといいます。
キザシという車名は日本語の「兆し」から付けられました。「新たな世界に突入し、新たな進化を遂げて何かが変わるという気配を感じて欲しい」というスズキの願いが込められていました。
日本では受注生産で、価格が278万7750円(消費税込)とスズキのモデルとしては高価ということもあり、販売は低迷してしまいます。
一方、捜査車両としてキザシの覆面パトカーが警察庁、警視庁に多数納入されたので、見たことがある方も多いでしょう。目立ってはいけない覆面パトカーのはずが、レアなキザシでは逆に目立ってしまうという矛盾もありました。 キザシは2015年に日本での販売を終了。海外でもフルモデルチェンジすることなく2016年には販売を終了しています。
■「オロチ」はまさに「名は体を表す」というデザイン
●日産「バサラ」
1999年に登場した日産「バサラ」は「ダンディミニバン」をコンセプトに、存在感のあるスタイリングと上質で快適な室内空間を目指したミニバンです。
トップグレードには最高出力220馬力を発揮する3リッターV型6気筒DOHCエンジンを搭載する高級ミニバンで、前年に発売されていた「プレサージュ」の姉妹車でした。
バサラという車名は「ダイヤモンド」を意味するサンスクリット語の「ヴァジャラ」が伝達されて生まれた日本語「婆娑羅」で、ダイナミックで輝くような存在感を表現したといいます。
バサラが販売されていた時期、日産は「セレナ」「エルグランド」「プレーリー」などミニバンのラインナップが過剰だったので、徐々に車種整理が進み、2003年にはプレサージュと統合されて販売は終了します。
さらにプレサージュもエルグランドと統合され、2009年には販売終了となりました。
●光岡「大蛇(オロチ)」
10番目の国産自動車メーカーである光岡が、2001年の東京モーターショーに初出展する際に制作したコンセプトカー「大蛇(オロチ)」は、ホンダ「NSX」をベースとしてパイプフレームを組み合わせ、独自デザインのボディを被せたショーカーでした。
しかしその反響が大きかったために市販化を決定。2003年の東京モーターショーには国内の保安基準に適合したデザインの2作目となるコンセプトモデルを出展し、2005年の東京モーターショーのプレスデーに市販化を発表しました。
オロチの設計開発は5年を費やし、安全性、環境対策などの法基準をクリア。乗用車では1996年の「ミツオカZero1」以来の型式認定車となりました。2006年10月に市販モデルを発表し、2007年4月より販売を開始しています。
車名は日本の神話に登場する「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」から「大蛇(オロチ)」と名付けられました。
ボディは全長4560m×全幅2035mm×全高1180mmと、欧州のスーパーカーを意識したサイズに。デザインもヤマタノオロチにヒントを得たスタイリングで、一見すると「怖い」、しかし「見たい」という衝動に駆られる妖艶さを実現したといいます。
エンジンはトヨタのSUVレクサス「RX330」の3.3リッターV型6気筒DOHCエンジンで、最高出力は233馬力と、スペック的にはスーパーカーではありませんでした。
オロチは2014年に生産を終了しましたが、2018年には中古車のオロチをベースに、永井豪さんのマンガ「デビルマン」とコラボした「デビルマン オロチ」を限定1台で販売するなど、話題となりました。
光岡はほかにも「優雅」(ユーガ)、「凌駕」(リョーガ)、「我流」(ガリュー)、「美遊人」(ビュート)、「卑弥呼」(ヒミコ)など、独自のセンスで漢字をベースにした車名のクルマを制作しました。
※ ※ ※
車名はクルマのデザインとともに販売台数を左右する重要なものです。各メーカーとも車名の決定には時間をかけて慎重に行なうといいます。
一方で、現在はグローバルで販売するのが当然なので、世界各地で車名を商標登録する必要もあり、調査も含め登録は手間も時間もかかります。
また、海外の場合は車名がその国でどういう意味になるか、スラングに該当しないか、なども調査が必要です。
実際に優れたクルマであれば車名は数十年も使われることもあるので、多少の手間は仕方ないのかもしれません。
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