ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回は2013年の企画から、販売堅調・目のつけどころがいい“、すき間(スキマ)”を突いたクルマたち、名付けて「スキマグルマ」15台をご紹介!(本稿は「ベストカー」2013年12月10日号に掲載した記事の再録版となります)
文・判定:片岡英明
目の付けどころがいーじゃないかッ!!! 「スキマグルマ」を突いたナイスなクルマ15選【ベストカーアーカイブス2013】
【画像ギャラリー】目の付けどころがいーじゃないかッ!!! フリード&シエンタ、フォレスター、ジューク、スイスポ……「スキマグルマ」を讃えん(15枚)
■トヨタ ポルテ&スペイド
月販5000台ほども売れるスペイド(右)
●一家の財布を握るママさんたちのハートにストライクなクルマ
左側にスライドドア、右側にはヒンジ式ドアを2つ備えた、今までになかったハイトワゴンだ。実に目のつけどころがいい。4mを切るボディサイズで扱いやすく、背を高くして広くて快適な空間を実現。ポップなインテリアも子育て世代のママさんなどにストライクで、簡単にチャイルドシートを取りつけられるのも高得点。財布を握る彼女たちの心をつかんだのは大きい。
シートを畳めば広い荷室が出現し、助手席はテーブルとしても使える。こんな点もママさんはうれしい。両車を合わせると、なんと月販7000台に迫る販売台数。それほどの実力派だ。
●すき間グルマ度:92(他にない部分が高得点)
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■ホンダ フリード&トヨタ シエンタ
ホンダフリード。ちょうどいい3列シートがキモ
●ちょうどいいサイズのミニバン。まさにすき間をついたクルマだ!
フリードとシエンタは、あっぱれなコンパクトサイズの3列シートミニバンだ。どちらも小型車サイズで収めたちょうどいい大きさで、日常の使い勝手もいい。コンパクトだが、実用に優れた広さを確保した3列目シートの出来もいい。このサイズでの快適な3列シートミニバンがなかっただけに、“いいところをついた”クルマといえる。
特にフリードはハイブリッドカーと合わせると月に4000台を超える売れっ子。背は高いのに走りは軽やか、実用燃費も良好。こんな利点がユーザーの心をくすぐり、前述どおりの好調さ。まさに“すき間をついたクルマ”だ。
シエンタは古参だが、キャビンは充分な広さで、運転もラク。簡単なシートアレンジも大きな魅力。
●すき間グルマ度:フリード85/シエンタ80
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■日産 ジューク
ジュークNISMOはすき間グルマの真骨頂だ
●思いきったデザインで勝負に出て“勝利をおさめた”すき間グルマ
うまい、座布団3枚と唸ったクルマだ。今までありそうでなかったSUVだが、思いきったデザインで勝負に出たことを讃えたい。結果、日本人に受け入れられるデザインだったことは販売面が物語っている。
個性的なルックス以上にインテリアデザインも目を引く。さらにキャビンも前席、後席ともに実用性のある広さを確保。おさえるべきところはおさえている点がすき間グルマたるゆえん。
見かけ倒しでなく走りもよく、FF車は特に走りが軽快。1.6Lの直噴ターボのパワフルさも他ではあまり体感できない魅力といっていい。より走りに特化したNISMOを発売したのも慧眼といえる。まさにすき間グルマの真骨頂といえそうだ。
●すき間グルマ度:90(見た目+走りが魅力)
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■マツダ CX-5(ディーゼルターボ)
4Lクラスのトルクを得られ、それでいて燃料代は安い。うれしいぞ
●それまで悪のイメージだったディーゼルを善玉にしたクルマ界の功労者
マツダのCX-5はディーゼルエンジンを日本に呼び戻した功労者だ。日本のディーゼルエンジンは絶滅の危機に瀕していたが、マツダは独自のSKYACTIV技術を使って復活させ、CX-5に搭載。発売されるとガソリンエンジン搭載車はそれなりの評価だったが、ディーゼルターボは絶賛の嵐が吹きまくった。すき間グルマ、ここにありだ!
発売から2年近くになるのに今も月販2000台ペースを維持し、販売の70%超がディーゼル。ユーザーが待ってたモデルを表わす数値だ。スムーズで4Lクラスのビッグトルク、クリーン度も群を抜くのだから痛快だ。
●すき間グルマ度:75(ディーゼル復権が大きい)
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■スズキ スイフトスポーツ
しっかりファンがついているスイスポ
●絶滅危惧種のヤンチャなコンパクトハッチ!
欧州には“ボーイズレーサー”と呼ばれるヤンチャなコンパクトハッチが数多く存在する。が、日本じゃ絶滅危惧種になるほど少なくなってしまった。そんななかスズキはスイフトにスポーティグレードを設定する。
先代のスイフトは欧州車のように切れ味鋭い走りを身につけ、評判に。これをベースに走りのポテンシャルを高めたのがスイフトスポーツだ。その2代目は、さらに気持ちのいいハンドリングマシンへと成長。月に平均600台の販売はあっぱれだ。弟分のスイフトRSも加わり、走りのコンパクトカーの座は不動のもの。まさに、すき間グルマ。
●すき間グルマ度:72(走りのコンパクトは不動だ)
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■スバル XVハイブリッド
懐の深いキャラとなったXVハイブリッド
●いろんな顔を持つ、SUV唯一のハイブリッドカー
ハッチバックボディにラギッド感(無骨で丈夫)あふれる演出を施した都会派のぶりっ子グラベルカーだ。
クロスオーバー的なルックスだが、性格はセダン寄りでオンロードの走りも得意。こんなふうにユーザーを“惑わせる部分”がすき間グルマ的だが、ただのなんちゃって4WDでない。オフロードや雪道を走らせても速いし安定感がある。結果、幅広い層のユーザーを取り込める懐の深さがあるクルマと評価され、まさにすき間をついたクルマといえる。
また新たに加わったXVハイブリッドも大ブレイク。SUV唯一のハイブリッドで、低回転域のトルク感とパンチ力はXVを大きく凌ぐ。燃費は正直ちょっとよくなった程度でご愛敬だが(笑)、プレミアム感は大幅にアップ。
●すき間グルマ度:82(多彩な顔を持つクルマ)
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■スバル フォレスター
クロスオーバーSUVだが意外な走りを見せる
●その気になれば山岳路でスポーティカーを追い回せる“すき間”なSUV
スポーツワゴンとSUVのキャラクターを合体させた異色のクロスオーバーSUVだ。ありそうでなかったすき間グルマで、インプレッサとは兄弟関係にある。最大の魅力はシビレル走り。悪路や雪道だけでなく高速道路とワインディングロードでも俊敏な走りを見せる。その気になれば山岳路でスポーティカーを追い回すこともたやすい。こんなクルマ、ほかにはない。
クロスオーバーSUVのなかでは数少ないターボ車を設定した点も見逃せない。現行モデルはレガシィの直噴ターボそのものだから、甘く見ると痛い目に遭いますぞ。
●すき間グルマ度:80(どこでも俊敏に走れる)
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■ホンダ N-BOX+
小さなハコの中に使える機能が満載なのだ
●ホンダらしい遊びと気の利いた軽自動車はすき間の魅力が満載
圧倒的な広さを誇るスーパーハイトワゴンのN-BOXをベースに、ラゲッジルームのフロアを工夫してアレンジ機能を高めたのがN-BOX+。すき間グルマの典型で、かゆいところにも手が届く、使い勝手のいいマルチパーパスカーに仕立てている。
マルチボードは耐荷重200kgで、これにエンドボードを組み合わせればいろいろな使い方が可能だ。車中泊も快適だし、車椅子も難なく積める。買った後、車椅子仕様にできるのも高評価ポイント。ホンダらしい遊びと気の利いた軽。他社にはできないモデルかもしれない。
●すき間グルマ度:88(発想力に脱帽です)
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■ホンダ N-ONE
ホンダ N-ONE。“こんな軽を待っていた”的なモデルだもんね!
●レトロ感覚を上手にちりばめた軽の斬新モデル。こんなの待ってました!
今までの軽モデルよりプレミアム感を強く打ち出し、所有する楽しさ、ドレスアップする楽しさを全身で表現している。50年前に大ヒットしたN360をモチーフに、レトロ感覚を上手にちりばめたのがユーザーの心に響いてヒット。すき間を巧みについているといえそうだ。2トーンのルーフカラーを設定しているのもおしゃれだ。
すき間商品の王道を行きつつもトータル性能は高い。キャビンは不満のない広さを確保し、走りのポテンシャルもライバル以上の高いレベルだ。エマージェンシーストップシグナルや横滑り防止装置を標準装備するなど、安全装備も軽自動車の域を超えている。登場後1年でも堅調に売れるのもわかる。
●すき間グルマ度:85(現代に甦るレトロさがいい)
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■ダイハツ ミラココア&スズキ アルトラパンショコラ
乙女チック満載のアルトラパンショコラ
●販売台数は出なくてもメーカーサイドにとっては必要不可欠な癒し系軽モデル
女性ユーザーが多い軽のなかでも、さらにすき間を狙った派生車種も取り上げたい。例えばミラココアやアルトラパンショコラ。量産の売れっ子モデルをベースに、乙女ムードやゆるキャラ調、レトロテイストのデザインを採用し、ホッとする癒し系の軽モデルに仕立てている。
ドレスアップしてほかのオーナーと差別化を図るのも楽しい。女性が待ち望むこのようなモデルはデザインだけでも勝負でき、思わぬヒットになることも。メーカーによれば、このような癒し系キャラは絶対に必要なすき間モデルなのだそうだ。
●すき間グルマ度:82(ほぼ女性限定モデル)
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■三菱 ギャランフォルティスラリーアート
スポーティイメージをアピールする三菱 ギャランフォルティスラリーアート
●すき間をうまくついたランエボの弟分キャラ
フォルティスは正直、ちょっと地味な存在。が、このクルマのイメージアップに大きく貢献しているのが、ランエボの弟分的なキャラを与えられたラリーアート。走りはギャランフォルティス以上ランエボ未満だが、運転すると楽しい一台。このグレードがあるからギャランのスポーティイメージが今も語り継がれている。
●すき間グルマ度:75(欠かせないグレードだ)
* * *
……以上、少し見渡しただけでも拍手を贈りたいすき間グルマは多い。最後は“すき間から王道”を切り拓いた名車たちを!
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■スバル レヴォーグ
スバル広報によると「かなり格好いいですよ~」
●「本命」になりそうなすき間ワゴンがもうすぐモーターショーでお披露目!
東京モーターショーでベールを脱ぐ、スバルの新星がレヴォーグだ。これは大きくなりすぎて見放されたレガシィツーリングワゴンと荷室がいま一歩の広さにとどまるインプレッサのすき間を埋めるために開発され、来年の春に送り出されるジャストサイズのワゴンである。ベースとなっているのはインプレッサだが、ラゲッジルームはそれよりかなり広いのも特徴。
パワーユニットやサスペンションなどのメカニズムも魅力的で、1.6Lと2LのDIT搭載なので走りも楽しみだ。このサイズの本格的ワゴンは多くの人が待ち望んでいるはず。すき間から本命になりそうなワゴンである。
●すき間グルマ度:81(「本命」の予感なので点数低め)
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【番外コラム】すき間から王道を築く!過去、大成功を収めた“国産のすき間グルマ”を讃えたい!
アイデアと工夫ですき間をついて売り出したモデルが、気づけば王道を築いていた……。企画の最後に、過去のそんなモデルのなかから代表格を取りあげたい。
* * *
今につながるステーションワゴンと4WDを身近な存在にしたのがレガシィツーリングワゴンだ。商用車と見分けがつかないワゴンとおさらばし、スポーツワゴンの時代を切り拓いた点は、すき間から王道へと進化した典型といえる。4WDを主役の座に据えて安心感のある走りを実現するとともに、ターボパワーで走り屋たちも魅了した。
レガシィはアウトドア派の御用達ブランドとなり、アウトドアブームもけん引。また、2代目で当時要したグランドワゴンはクロスオーバー4WDの先駆けとなっている。
すき間発想から王道を築いてしまった初代レガシィ
ホンダらしいすき間グルマは初代オデッセイ。RV戦略で後れをとったホンダのピンチを救ったクリエイティブムーバー(生活創造車)。ちょっと背が低いミニバンだが、商用車ベースではなくアコードのメカニズムを使って送り出したところも唸らせた。スマートなデザインで、キャビンも広く快適。走りもワゴン的で洗練されていた。だから爆発的に売れ、ミニバンブームが到来したのである。同じジャンルのエスティマも、ミニバンブームを築いた画期的なモデルだが、時代のニーズに合致したオデッセイはあっぱれだ。
初代オデッセイ
軽自動車ではハイトワゴンのワゴンRを挙げたい。セルボモードのメカニズムを採用し、低予算で開発したモデルだが、現代の主流を築いているから世の中わからない。この時代の軽は背が低く、ラゲッジスペースもそれなりだった。そこにひと工夫と、ワゴンRは背をちょっと高くし、広くて快適なキャビンと使い勝手のいいラゲッジを実現。これがウケて、スズキの柱となっていったのだ。(TEXT/片岡英明)
今やスズキの柱となった初代ワゴンR
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)
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