NAロードスターで美しきタイムスリップ。純度の高い初期型が欲しいなら…
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一
もう一度こんな気持ちを味わえるなんて、思ってもみなかった。まるでゴムまりにでも乗ったかのように弾む乗り心地と、それにつられて弾む心。敢えて細身に設えた排気管から“ブカァ~!”とはき出される、心地よいエキゾーストノート。おもちゃのように軽いクラッチを切って、ストロークの短い5速マニュアルのシフトをゴクッと次のギアに入れ、またそれをつないで走り出す。マツダの手によってレストアされた初代“ユーノス”ロードスターは、まさにロードスターの原点といえる走りを、約30年の時を越えて見事に再現してくれたのであった。
このクラシカルな乗り味には、ベースとなるモデルがVスペシャルだったことも大きく影響しているのだろうと思う。NBロードスターよりもさらにソフトな足回りは常にフワフワと宙を浮いているような独特なライド感を持っていて、オープンエアを交えて味わうと、たとえ時速40km/hで走っていても極上に気持ちが良い。
そしてカーブで細身な“NARDI”のウッドステアリングを操ると、ハンドルを切った通りにスーッと曲がり、アクセルを踏めば軽やかにブーン♪ と走って行く。その操縦感覚は驚くほど、そして思わず頬がほころぶほど、クラシカルな味わいであった。
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