R8V10・サーキット試乗 R8の新たな顔が見えた
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:小林 俊樹
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思い起こせば2年前、V8エンジンを搭載したアウディR8をもてぎサーキットで試乗して、その走りの気持ちよさから、興奮しつつカービュー動画のコメント撮りを行った記憶がある。
そもそもR8はアウディが究極のモデルとするクルマで、ルマン24時間レースで5勝を挙げたアウディのレーシングカーと同じ名前が付けられた特別なモデル。運動性能を高めるミッドシップレイアウトと幅広軽量ボディ、さらには安定性を高める4輪駆動クワトロシステムが組み合わされ、レーシングの領域に踏み込んだシャーシ性能を持っている。それがV8エンジンの発揮する420馬力・430Nmをという高出力を完全に手なずけ、アクセルを積極的に踏みこんでサーキットを豪快に走れるという、速いが怖くない独特の世界観を体現していた。
だが、このV8エンジン搭載のR8で見せた世界観は、アウディがR8で表現したかった一部の姿でしかないのだろう。なぜなら、R8が発表された当時、メーカーが今後発も売予定はないと言っていたV10エンジンを搭載したR8が突如として登場し、富士スピードウェイで試乗した限り、その印象はV8とは大きく異なるものだったからだ。
もちろん、大きく異なるといってもV8モデルの魅力が輝きを失うというものではない。だが、V8モデルでどこでもアクセルを踏みこめる源になっていたシャーシ性能が、525馬力・530Nmを発揮する5.2リッターV10エンジンと組み合わされると、踏み方によってはタイヤが滑るなど、刺激と操る楽しさをR8にもたらしていたのだ。
では以下で、内外装共にV8モデルとは差別化が計られたV10モデルの実力を、詳細に述べていくことにしよう。
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