【ジャパンモビリティショーはトヨタの独壇場】5ブランド体制の圧倒的展示と戦略的沈黙。“三代目将軍”豊田章男が築いたトヨタ帝国の現在地

豊田会長 TAS2024 画像：東京オートサロン 撮影：三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY

“三代目将軍”章男会長のリーダーシップ

この圧倒的なトヨタの強さには、歴史的な必然性すら感じます。

JMSのセンチュリーブランド・プレゼンテーションで登壇した豊田章男会長は、トヨタ自動車創業者・豊田喜一郎から数えて3代目のリーダーにあたります。日本史を振り返れば、室町幕府の足利義満、江戸幕府の徳川家光、いずれも“3代目将軍”が体制を確立し、長期安定を実現した人物として知られています。

まさに豊田章男会長も、3代目リーダーとしてトヨタ帝国を確固たるものにした存在といえるでしょう。世界的に自動車産業がEV化という激動の波に揺れるなかでも、トヨタグループは“揺るがない重心”を保っています。

そして何よりも印象的なのは、“トップになっても慢心しない姿勢”です。センチュリーブースでのカイゼン対応ひとつ取っても、トヨタが現場を重視し、常に改善を続けていることが伝わってきます。

圧倒的な地位にありながら進化を止めない…その柔軟さとスピード感こそが、トヨタグループを未来へ導く最大の武器。

はたして、次のモビリティショーではどんな“カイゼンされたトヨタ”が見られるのでしょうか。今後の展開に、ますます期待が高まります。

（終わり）

（写真：編集部、トヨタ、三橋仁明/N-RAK PHOTO AGENCY）