マクラーレン MP4-12Cスパイダーに海外試乗

サウンドを最高に楽しむ方法とは？

オープン時のもうひとつの楽しみは、パワートレーン・モードにリンクして、吸気サウンドをコントロールできるインテーク・サウンド・ジェネレーター＝ISGがやはりアップデートされたこと、そしてスパイダーに専用のエグゾーストシステムが与えられたことで、キャビンへと届くサウンドがさらに魅力的なものとなったことだろう。

フェラーリと比較すれば、このサウンドもエクステリアデザインも、優等生的な印象に終始してしまうのも事実だが、それでもアクセルに対してのレスポンスがさらに鋭さを増す高回転域では、スーパースポーツとしてのサウンド・チューニングは確実な効果を発揮している。マクラーレンの関係者からは、RHTをクローズして、リアキャビンガラスのみをオープンすることが、サウンドを楽しむには最高の環境を作りだす方法だというアドバイスも聞かれた。

ミッドのV型8気筒ツインターボエンジンは、低回転域から十分にトルクフルな印象だが、メーターパネルのセンターにレイアウトされるタコメーターの針が、3000rpmを指した頃から、その過給効果によってさらにスパルタンな性格を表してくる。マクラーレンから公表されているテストデータによれば、このスパイダーの0→100km/h加速は3.1秒。0→200km/h加速でさえ9秒フラットでそれをこなし、最終的な最高速は328km/hに達するという。今回の試乗プログラムでは、さすがにこの最高速にチャレンジすることはできなかったが、200km/hというひとつの壁を大きく超えた領域でも、その優秀なエアロダイナミクスが生みだすスタビリティには、何度となく感動させられることになった。