マクラーレン MP4-12Cスパイダーに海外試乗

実は主役の「スパイダー」

2013年には1500台のグローバル・セールスを狙うというマクラーレン。今回MP4-12Cのラインナップに追加設定された「スパイダー」は、その数字を達成するために、非常に大きな役割を果たすことになるだろう。ちなみにマクラーレンは、MP4-12Cのセールス中、このスパイダーが占める比率は、最終的には80％以上になるだろうと予測している。

この期待の新型車、スパイダーには、これまでのクーペモデルから変わらないところと、変わるところの両方が存在するのだという。前者は、同じ2013年モデル同士でスパイダーとクーペを比較した場合の、パフォーマンスやドライビング・プレジャー。また後者は、スパイダーの誕生と同時に、MP4-12Cはさらに正常進化したことを意味すると、マクラーレンは主張する。この正常進化の象徴的な例は、ミッドに搭載される3.8リッター版V型8気筒ツインターボエンジンが、従来までの600psから625psへと強化されたこと。組み合わされるデュアルクラッチ式7速MT＝SSGにもアップデートが施され、クラッチコントロールやシフト制御はさらに高速化されると同時に、洗練されたフィールを得ることになった。

30km/hまでならば、走行中にも17秒未満で、完全オートマチックのオープン＆クローズが可能なリトラクタブル・ハード・トップ＝RHTは、CFRPを使用した2ピース構造。オープン時にはそれは折りたたまれ、キャビン後方の専用スペースに収納されることになるが、逆にクローズ時には、それは52L分の荷室として使用できる。MP4-12Cのフロントボンネット下には、そもそも144L分のスペースが荷物用に確保されているから、したがってスパイダーは、実用性においてもクーペ以上に魅力的なモデル、と評価できるのだ。