登場から17年目の三菱「デリカD:5」がフルモデルチェンジできない理由とは?
掲載 carview! 文:ピーコックブルー/写真:三菱自動車 201
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「東京オートサロン2023」で初公開された三菱「デリカミニ」は、軽自動車でありながらタフ&ワイルドなルックスが話題を呼んでいますが、デリカミニがモチーフとしているのは、言うまでもなく「デリカD:5」です。
デリカシリーズの頂点に君臨するデリカD:5は、悪路走破性に長けたミニバンという唯一無二のポジションであることなどから、三菱の中でも根強い人気を持つロングセラーモデルとなっています。
ただ、現行モデルが発売されたのは2007年1月のことであり、16年以上フルモデルチェンジが行われていません。もちろんマイナーチェンジや仕様変更は定期的に行われてはいますが、次期型の登場を望む声は少なくありません。
近い将来、デリカD:5に次期型は登場するのでしょうか?
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ミニバンの人気が高いとされる日本では、トヨタ「アルファード」や「ノア/ヴォクシー」、日産「セレナ」、ホンダ「ステップワゴン」など、魅力的なモデルがしのぎを削っています。
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これらのミニバンは各メーカーの主力モデルであり、新車販売台数ランキング上位の常連となっている一方、デリカD:5も2022年の新車販売台数ランキングでは乗用車全体の33位と健闘しています。
三菱の中では「アウトランダーPHEV」に次ぐ順位となっているだけでなく、販売台数も前年より13.8%増加しています。これは、発売からおよそ16年が経過するモデルとしては驚異的な結果と言えます。
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デリカD:5の販売が好調な要因には、近年のアウトドアブームが挙げられます。
アウトドアシーンの定番といえばSUVですが、近年のSUVはシティユースを志向したものが多く、悪路走破性能に長けたものはそれほど多くはありません。
トヨタ「ランドクルーザー300」や「ランドクルーザープラド」、トヨタ「RAV4」やスバル「フォレスター」はタフ系SUVの代表格ではありますが、SUVの多くは最大でも5名乗車しかできない点が多人数乗車を求めるユーザーにはネックです。
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ランドクルーザー300やランドクルーザープラドは3列目シートを備えていますが、受注停止のため事実上中古車しか購入できない状態となっています。
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一方、デリカD:5は「環状骨格(リブボーンフレーム)」による強固なボディとAWDの組み合わせによる高い悪路走破性能を持ちながら、スライドドアを採用し最大8名の乗車を可能としています。
納期についても、コロナ禍などの影響はありつつもおおむね6か月以内での納車が可能となっているようです。
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アウトドアブームを追い風に販売台数を伸ばしているデリカD:5ですが、燃費性能や走行性能、安全運転支援機能、内装の質感など、ほかのミニバンやSUVに対して古さを感じる声も少なくありません。
マイナーチェンジや仕様変更によってある程度の改善を図ることはできますが、根本的に改善するためにはやはりフルモデルチェンジが必要です。
しかし、デリカD:5に対してフルモデルチェンジが行われることは少なくとも今後数年内はなさそうです。
その背景には、デリカD:5の特殊な立ち位置が関係しています。
上述の通り、デリカD:5はリブボーンフレームという独自のボディ構造を持っていますが、フルモデルチェンジを行うためにはこの構造自体に手を加えなければなりません。
一方、昨今の自動車産業ではプラットフォームの共有が主流となっており、ひとつのプラットフォームから複数のモデルを生み出すことでコストの低減や品質向上を図っています。
ただ、デリカD:5に用いられているリブボーンフレームは、デリカD:5以外に転用することが難しいものとなっています。つまり、その開発費用のほとんどはデリカD:5のみでまかなう必要がありますが、現状の販売台数ではあまり現実的ではありません。
加えて、競合モデルがほとんどいないという点も、積極的にフルモデルチェンジを行う必要がない理由となっています。
実際デリカD:5を購入するユーザーの多くは、ほかのモデルとほとんど比較検討することのない「指名買い」となっているようです。
このような背景から、当面デリカD:5にフルモデルチェンジが行われる可能性は低いと言えそうです。
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デリカD:5の命運を握るのが環境規制です。
年々厳格化していく環境規制をクリアするためには、あるタイミングでのフルモデルチェンジが必須であることは言うまでもありませんが、技術やコストの面で規制対応が難しい場合、そのモデルが生産終了となったり販売終了となったりすることがあります。
デリカD:5の主要市場となっている日本は、世界でも最も厳しい環境規制を持つ国のひとつです。
例えば、2030年度にはひとつのメーカーから販売される乗用車の平均燃費がおおよそ25.4km/Lにすることが求められますが、現行型のデリカD:5でそれを達成するのはまず不可能です。
ただ、この基準はあくまでも「販売される乗用車の平均燃費」であるため、三菱のほかのモデルの燃費性能によってはデリカD:5の燃費性能が基準以下でも問題ありません。
現在三菱は、アウトランダーPHEVのほかにも「エクリプスクロスPHEV」や「eKクロス EV」をラインアップするなど、電動化を積極的に進めており、ほかのモデルが十分な販売台数を記録することができれば、デリカD:5も当面の間は存続できる可能性が高いということになります。
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しかし、もし三菱全体で燃費基準の達成が難しい場合、多額の費用を投じて次期デリカD:5を開発することは現実的ではないため、次期型が登場しないまま生産終了となる可能性も十分に考えられるのが実情です。
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