新型キックスは“小型版エクストレイル”に大進化!? 24年発表も日本導入は後回しか
掲載 carview! 文:ピーコックブルー/写真:日産自動車 78
掲載 carview! 文:ピーコックブルー/写真:日産自動車 78
昨今ではSUVが隆盛を極めていますが、その中でも市街地で使い勝手のよいコンパクトSUVは最もライバル争いの激しいカテゴリーとなっています。
一方、日産のコンパクトSUVである「キックス」は、販売台数の面でライバルの後塵を拝しています。
日産のグローバルSUVとして2016年にブラジルで販売を開始したキックスは、日本市場においては「ジューク」の事実上の後継車という位置付けでした。
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しかし、強烈な個性を放っていたジュークや、当時競合であったホンダ「ヴェゼル」やトヨタ「C-HR」と比べてキックスは無個性なモデルという印象が強かったのも事実です。
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さらに、日本での発売は2020年5月と世界初公開から4年も遅れてしまったことで、発売当初から基本設計や内外装のデザインの古さが指摘されていました。
たとえば、日産独自のハイブリッドシステムである「e-POWER」を搭載していることはキックスの大きな魅力とされていましたが、発売からわずか5か月後に第2世代の「e-POWER」を搭載した新型「ノート」が登場したことで、その古さがさらに際立ってしまいました。
その後、2022年7月に行われたマイナーチェンジでキックスにも第2世代の「e-POWER」が搭載されましたが、遅きに失した感は否めませんでした。
加えて、キックスはタイ工場で生産されている「輸入車」であることから、昨今の輸送費上昇や円安の影響を受けてしまい、2023年4月にはおおむね20万円程度の値上げを余儀なくされています。
ある程度やむを得ない部分もあるとは言え、こうした事情が重なった結果、キックスはやや目立たないモデルとなってしまっています。
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そんなキックスにフルモデルチェンジが行われるとの情報が入ってきました。すでに海外ではテスト車が目撃されていることから、早ければ2024年前半にも発表されると見られています。
新型キックスでは、プラットフォームを刷新することで基本性能が大きく向上する見込みです。機構上は現行ノートのSUV版になると見られることから、内外装のデザインや機能装備も現行ノートに準じたものとなる可能性が高いようです。
プラットフォームの変更により、走行安定性や静粛性も向上するほか、モーター駆動の「e-POWER」を活かした走りもさらに進化する見込みです。燃費性能については、現行ノートのカタログ燃費(WLTCモード)が28.4km/Lであることを考えると、25~26km/L程度になると見られます。
そのほか、先進安全運転システムについては最新の「プロパイロット」が搭載されるほか、コネクテッド関連の装備もさらに充実する見込みです。
一方、価格については現行モデル以上となることが濃厚です。ただ、そもそもキックスは国内ではハイブリッド専用モデルとなっているため、ヴェゼルや「ヤリスクロス」といったガソリン車も設定しているライバルよりも割高な印象でした。
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新型でもその位置付けは変わらないことから、むしろ装備を強化して「小型版エクストレイル」として販売される可能性も考えられます。
そう考えると、新型キックスのライバルとなるのは、ボディサイズや車格の近いコンパクトSUVだけではないのかもしれません。
懸念点があるとすれば、日本市場への導入時期です。新型キックスもグローバルモデルとして世界中で販売されることは確実ですが、日本が最優先となる可能性は低く、導入時期が遅れる、もしくは納期が長期化する恐れがあります。
もし仮に、現行キックス同様に数年単位で遅れるようなことがあれば、ライバルがさらなる進化を遂げ商品力に大きな差を付けられてしまうかもしれません。
そういう意味では、新型キックスがどのようなモデルとなるのかもさることながら、発表時期や納期についても目が離せません。
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