昭和のガラパゴス装備? USBポートが普及してもシガーソケットが無くならない理由
掲載 更新 carview! 文:編集部 38
掲載 更新 carview! 文:編集部 38
かつて、ほとんどすべてのクルマに「シガーライター」と呼ばれる機能が備わっていました。
<写真:シガーライター / アクセサリーソケット>
シガーライターは、その名のとおりタバコに火を付けるためのもので、ソケットに深く押し込むことで内部の電熱線が温められ、そこにタバコを押し当てることで火を付けることができるという仕組みとなっています。
ただ、近年では喫煙者の減少を背景に、シガーライターや灰皿といった愛煙家のための装備を採用しているクルマはほとんどありません。それどころか、「シガーライター」という言葉自体がもはや死語となっています。
一方、シガーライターが挿入されていた「シガーソケット」は、「アクセサリーソケット」と名前を変えてはいるものの、現在でもほとんどのクルマに備わっています。
2000年代以降、喫煙者の減少にともないシガーライターの需要は減少したものの、それと反比例するように給電を必要とする電子機器が普及するようになったことから、シガーソケットの需要はむしろ増加していきました。
シガーソケットには耐熱性が持たされているといった違いはあるものの、両者は基本的には同じものであり、一般的な乗用車の場合、対応する機器に12Vの電圧と10Aの最大消費電流を供給することが可能です。
また、アクセサリーソケットの規格はグローバルでほぼ統一されており、対応する機器は国産車・輸入車問わずほとんどすべてのクルマで使用することが可能です。
>>先進装備満載の次期「ティグアン」は買い? 人気のハリアーやエクストレイルとコスパや装備を比較した!
一方、電源供給のための装備という意味では、USBポートも現在販売されているほとんどのクルマに採用されています。
<写真:USBポート>
USBはスマートフォンやタブレットなどの充電はもちろん、データ送信にも対応しているといったメリットもあります。
上級車種では後席も含めて複数のUSBポートが備わっている場合も多く、現代のクルマにとって必要不可欠な装備となっています。
USBはクルマからの給電に限らず、さまざまなシーンで利用できるという汎用性があります。
一方のアクセサリーソケットに対応する機器は、基本的にはクルマ以外でそのまま使用することができません。
こうした点を考えると、アクセサリーソケットはもはや無用の長物のようにも思われますが、実際にはUSBポートとアクセサリーソケットは共存しています。
<写真:USBポートやアクセサリーソケット、HDMI端子がまとめられた例>
そこにはどのような事情があるのでしょうか?
結論から言えば、既存のUSBではパワー不足なケースが多いということが大きいようです。
一般的なUSBポートは、5V・2.4A程度の出力を上限としています。
この電源供給能力では、スマートフォンやタブレットなどの充電には必要十分ですが、それ以上の電力を必要とするノートパソコンや車内用家電などには対応していません。
また、ほとんどのドライブレコーダーもUSBポートからの給電ではパワーが足りません。
一方、12V・10A程度の電源供給能力を持つアクセサリーソケットであれば、ドライブレコーダーをはじめとする多くの電子機器へ給電することができます。
DC(直流)をAC(交流)に変換するインバーターを使用すれば、家庭用のコンセントをそのまま利用できるという点も大きなメリットです。
たとえば、近年ブームとなっている車中泊やクルマを用いたキャンプでは、電気式のポットや小型冷蔵庫などが活躍しますが、アクセサリーソケットであればそうした電化製品への給電も可能となります。
このように、USBポートとアクセサリーソケットが共存できている最大の理由は、その電源供給能力の違いにあります。
>>あなたは何を連想する? ミツオカ創業55周年記念モデル「M55 CONCEPT」をホームページで公開
一方、USB自体も年々進化しています。
近年では、「Type-A」から「Type-C」へと変化しつつあり、クルマのUSBポートにも「Type-C」が多く見られるようになっています。
さらに、2023年9月に登場した「iPhone 15」がついに「Type-C」を採用したことで、「Type-C」への移行はさらに加速するものと考えられています。
「Type-C」にはさまざまなメリットがありますが、最大で48V・5A程度の電源供給能力を持っている点が大きな特徴です。
現時点では対応するポートや機器が限られてはいるものの、「Type-A」と比べて大きなポテンシャルがあることがわかります。
また、ハイブリッド車を中心に、家庭用コンセントと同等のAC100V電源を備えたクルマも増えつつあります。
<写真:AC100V電源コンセント>
AC100V電源があれば、家庭で使用している電化製品もほとんどすべてがそのまま使用できるため、車中泊やキャンプはもちろん、災害時などの非常用電源として活用することも可能です。
このように、クルマの電源供給設備が今後さらに進化していくにつれて、アクセサリーソケットの需要は減少することが考えられます。
ただ、アクセサリーソケットの規格に対応した多くの製品が現在進行形で販売されていることは事実であり、アクセサリーソケットを備えないクルマが増えてしまうことで、ユーザーやメーカーが大きく混乱することが懸念されています。
>>【手ごろ&道具っぽさがいい!】ホンダが若者向けのシンプルな新型SUV「WR-V」を公開
<終わり>
写真:ホンダ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
【クセ強だけど懐かしい】光岡、55周年記念車「M55ゼロ・エディション」発売。100台限定…ベースはあの車
「売れる車がない」なんて言わせない! 北米日産の大型SUV「アルマダ PRO-4X」が魅力的…価格も発表
新型「ティグアン」正式発売で注目集まる豪華装備とお値打ち度。世代遅れの兄弟「Q3」よりお買い得
メルセデスAMG「A45」に“最後の限定車”登場。2.0Lターボは421馬力も…価格は1000万円超え!!
ホンダの高級ブランドが新型SUV「ADX」を発表。クセ強め“アメリカン顔”の衝撃や背景とは?
北米レクサスが販売する3列SUV「TX」は何モノ!? “LBX顔”で実質650万円~…25年モデルに進化
【アルファード/ヴェルファイアはイヤ!】そんな人の選択肢になるかもしれない高級ミニバン「Vクラス」はどんなクルマなのか?
新たな仲間募集、JAFの給水素+給電カー、新型GR86の方向性…S耐最終戦で見えたトヨタと水素の現在地
【SUVだらけでお腹いっぱい】世間に流されず自分らしい車を探し出すための、愛車の「因数分解術」
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!