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プリウス公道試乗開始 その予想以上の実力!

ホンダとは全く違うハイブリッド=THS2

トヨタとホンダ、プリウスとインサイト。ホンダの仕掛けにトヨタが応じるかたちで、同じ“ハイブリッド車”という括りでガチンコの比較にさらされている2台だが、その中身は技術的にもコンセプト的にも実は大きく違っている。プリウスにとってキモとなるのはトヨタTHS2の動力分割機構と呼ばれる複雑なシステムだ。

 インサイトが搭載するホンダIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)の場合、基本はあくまでエンジンで、モーターはアシスト役である。モーターは加速時にはエンジン出力の足りないところを補い、減速時には発電機となってエネルギーを回生する。モーターはエンジンにダイレクトに接続されているため停止することはなく、気筒休止を行なうだけである。

 対するTHS2は、エンジンとモーターの出力をその動力分割機構によって、常にその時々で最適な割合になるよう振り分ける。モーターだけで足りる時にはエンジンを停止して走り、エンジンの力が要る時は最大限にそれを発揮させる。これを刻一刻柔軟に行なうことで、つまりはできる限りモーターに沢山の仕事を託すことで燃費向上に繋げている。

 しかもTHS2はモーターの他にジェネレーター(発電用モーター)を別立てで持っていて、走行中にバッテリー残量が乏しくなればエンジン出力を更に充電にも振り分ける。そんな風に、すべての動力を効率良くマネージメントするのがTHS2なのだ。

 THS2という基本は変わらないだけに、新型プリウスの走行感覚は先代とよく似通っている。しかしエンジンが1.5リッターから1.8リッターへと拡大されたことには注目だ。これは高速巡航を特に意識した結果。トルクの余裕が増せばエンジン回転数を下げて燃費を稼ぐことができるからである。

 もちろん、それは日常的な走行パターンでも貢献度は小さくない。低速域から豊かなトルクのおかげで発進から加速に至る場面でのアクセル開度は明らかに小さくなっているのである。言うまでもなく、これは燃費向上に繋がっているはずだ。

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