なぜか過小評価されるプリウス。マイナーチェンジ版に乗って理由を考えた
掲載 更新 carview! 写真:編集部 1
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昨年末にマイナーチェンジした「プリウス」に試乗する機会があったのでご報告です。年末に借りた現行型プリウス(前期型)のレンタカーが思いのほか良かったので、担当は少し気になっていたのであります。
4代目プリウスは2015年末に登場。トヨタの新設計思想TNGAを採用した第1号となるなど期待は大きかったのですが、デザインの一般ウケが今ひとつだったことなどから苦戦が続いていました。今回は問題のデザインにメスを入れ、物議を醸していた縦型の前後ライトをより普通なテイストに改めての登場となっています。インテリアもセンタートレイがブラック基調になるなど、少し落ち着いた雰囲気にまとめられました。
どうせならセンターメーターの80年代の漫画チックなグラフィックやフォントのデザインもクールなのに新調してほしかったですが、そこはコストに限りあるマイナーチェンジ。内外装ともに化粧直しという程度で、編集T的にはそれほど変わったという印象はなかったかも。これでMC前モデルの中古が安くなるなら買いだったりして。
印象的だったのは、やはり走りであります。まずは17インチタイヤがヒタッと路面を捉えながらしなやかに上下する足回り。程よくロールを抑えたサスペンションは路面の継ぎ目を通過してもビシッという最初の一撃で収め、ボディの奥深さのようなものを感じます。スバルのSGPといい勝負と言ったらあちらのファンに怒られるでしょうか。
ハイブリッドシステムは必要十分で、踏めばエンジンがそれなりにボーっと唸るものの、ふだんは静粛性高めの黒子的な存在。それよりモーターアシストのリニアなレスポンスのほうが印象に残りました。燃費も多くのシーンで20km/Lを下回ることはないようです。
ハンドリングもクセや雑味のない、スポーティと言ってもいいようなフィール。プリウスだと意識しなければ、けっこう上質なクルマに乗っている、という印象はさらに強まるのではないでしょうか(笑)。
衝突回避支援パッケージのTSSも標準装備となりました。アダプティブクルコンの動作もスムーズ。あとはレーン逸脱防止のステアリング制御に、車線中央を維持する機能が加わるとグッドだと思われます。
ふんわりした結論で恐縮ですが、プリウスは実に真っ当な実力派セダンというのを再認識致しました。乗り心地や走りの良さから長距離ドライブも悪くなさそうです。
それよりプリウスの課題は、世間(?)から“実力の2割引ぐらい”で見られていそうなキャラクターというか存在感ではないかと推察します。ハードの完成度は高いのに、“もはやありふれたクルマだから”とか“デザインが○×だから”とか“トヨタだから”といった、好き嫌いや雰囲気論で損していたら勿体無いです。
次世代のプリウスには、燃費だけではなく、そのあたりの演出にも期待したいところ。例えばテスラのような、テック感を上手く押し出した未来感でキラキラしているといいななどと妄想します。モノがいいだけにブランディングの難しさを感じた、MCプリウスの試乗となりました。
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