高い氷上性能を活かせ ガリットG5 実力チェック
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:トーヨータイヤ
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:トーヨータイヤ
若干気になるのはアイス路面に特化した感があること。たとえば圧雪路を走ると絶対的なグリップ自体は悪くないのだが、トラクションやブレーキといった縦方向のグリップ力に対して、横方向の踏ん張り感が弱い。実際の使用ケースで考えると、ブレーキを踏んだ際にしっかりとグリップする路面だと判断して、その感覚で曲がろうとしたとき、タイヤが滑り出すケースがあり得るということだ。
ドライ路面であればタイヤの性能限界まで使うケースは少ないので、これらはさほど気にならないはずだが、圧雪路では路面のグリップ係数が低く、前後方向と横方向のバランスは大切。アイス路面を重視したため、圧雪路でのバランスが若干犠牲になったともいえる特性だが、タイヤの性能限界を超えることも想定しておきたい。
また、ドライ路面での旋廻性能向上のため、カーブで積極的に使う外側ブロックの剛性を内側ブロックより高めた左右比対称パターンが、圧雪路で若干悪さをする。圧雪路でのタイヤ入力レベルが、ちょうど外側ブロックを使う/使わない、の境目にあたるのか、曲がり出しでタイヤがよれ出してから、タイヤの硬さが変化する感覚がある。結果として、ハンドルから得られるグリップ感が変化するし、曲がり方も変化する。慣れてしまえば問題ないが、圧雪路ではややクセがあると認識しておいてほしい。
だが、そられクセを加味しても、高いアイス性能は魅力的。アイス路面での安心感を手にしたい方は注目して損のないタイヤだ。
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