レクサスLCの走りや艶やかな作りこみは、まさに名は体を表すだった
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:トヨタ自動車
掲載 更新 carview! 文:吉田 匠/写真:トヨタ自動車
車重はLC500で1940kgと、クーペとしてはヘビー級だが、5リッター4カムV8エンジンはNAのまま477ps/7100rpmのパワーと55.1kgm/4800rpmとトルクを生み出すから、10段ATを介して意のままに、しかもスムーズに加速できる。穏やかにスロットルを踏めばマイルドに、深く踏み込めばパワフルに、存在感のあるボディを加速させるのだ。
加速感はドライブモードによっても異なるが、シャープに突き抜けるといった感じよりも、重量感をともなってボディを前に押し出すという印象である。しかもそこに荒々しさのようなものが感じられないのは、エンジンのスムーズさに加えて、10段ATの変速が滑らかなことも一因だろう。
それに加えてもうひとつ、LC500の加速にはサウンドという魅力がある。エグゾーストはバルブの開閉によって排気音をコントロールするシステムを採用、全開に近い加速では後方から“パララララランッ”といった乾いた爆音が奏でられる。とはいえそれが、昨今のイタリアンやブリティッシュほどハイボリュームでないところも、いかにもトヨタらしい。
LC500hに乗り換えたのは、京都に向かう高速の某SAだった。500hは、299ps/6600rpmのパワーと36.3kgm/5100rpmのトルクを発生する3.5リッター4カムV6 NAと、180psおよび30.6kgmの電気モーター2基を組み合わせ、電気式無段変速機にV8同様の10段のマニュアルモードを設定した、ハイブリッドパワートレーンを持つ。
それらによるシステム出力は359ps、対する車重は2020kgだから、パワーウェイトレシオは5.63kg/psとなり、4.07kg/psのLC500と比べるとけっこうな相違がある。それに加えて、基幹となるエンジンのキャラクターの違いも走行感覚に大きな影響を与えているから、加速感はV8のLC500の方が明らかに迫力がある。
モーターのトルクが加わるとはいえ、LC500hの加速感はLC500のそれより明らかに線の細い印象をうける。迫力という点ではV8に及ばないものの、V6エンジンもサウンドのチューンが効いている印象で、“フォーン”という軽い爆音が耳に心地よい。
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