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レクサスLCの走りや艶やかな作りこみは、まさに名は体を表すだった

レクサスLCの走りや艶やかな作りこみは、まさに名は体を表すだった

LC500 “Lパッケージ”

「スポーツ+」はもっと攻めてもいいのでは?

最後の試乗ステージは、比叡山ドライブウェイのワインディングロードだが、それまでに乗った2台の印象から判断して、僕はV8のLC500を選んでそこに挑んだ。ただし、最初に乗ったレッドマイカとは別の、メイプルスイエローの"Lパッケージ"の個体である。

そのスペックを最初に乗った赤いLC500と比べてみると、Lパッケージは20インチタイヤが標準だが、その黄色い試乗車はオプションの21インチを履いていたから、その点は変わらない。ただし、素のLC500とSパッケージがCFRPルーフなのに対して、Lパッケージはグラスルーフが標準になるから、少々トップヘビーなはずである。

案の定、走り出してみると、最初に乗った赤いLC500より、若干動きが重い印象をうける。スペックによると、車重の違いは20kgだが、それがルーフの材質の違いによるものだとすると頭が20kg重いわけで、コーナリングにはそれなりの影響を与えると考えられる。

そこでいよいよ最後の天王山、比叡山ドライブウェイに攻め込む。ドライブモードセレクトは、最初「スポーツ」を選んでいたが、サスペンションに関しては「ノーマル」と変わらないので、挙動はシャープさに欠ける。そこで、サーキットとスポーツ走行に対応すると謳われた「スポーツ+」に切り替えた。

するとサスペンション、つまりダンピングは明らかにハードになったが、それでもヨーロッパのスーパースポーツのモードを「コルサ」や「トラック」にしたときのように、不整路面でボディがピクピクするほどには硬くはならず、乗り心地も依然として充分許容の範囲にある、角が取れたものだった。

したがって、ステアリング操作やスロットルワークに対するレスポンスは適度にクイックではあるものの、身のこなしのシャープさが際立つという感触までは得られなかった。だからこの「スポーツ+」モード、もっと明確に締め上げるべきではないか、と僕は思った。

「スポーツ+」モードでも依然として脚はしなやかに動くからロードホールディングは良好で、タイトコーナーを攻めても危なげはなく、おそらく電子デバイスの効果もあってアンダーステアも適度なレベルに抑えられている。だから安心してコーナーを攻められるし、狙ったラインを外すこともない。

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