ガソリン激高時代の救世主! 新型ライズ/ロッキーの魅力はハイブリッドだけではなかった
掲載 carview! 文:塩見 智/写真:編集部 123
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コンパクトSUVのトヨタ「ライズ」とダイハツ「ロッキー」がマイナーチェンジし、2種類のパワートレーンが追加された。両モデルは兄弟車で、ダイハツが開発し、それぞれのブランドで販売する。仕様は同じ、フロントマスクを中心にデザインがやや異なる。
ライズとロッキーは自動車メディアのトップ記事を飾るような派手な存在ではないが、相当なヒットモデルだ。2021年度上半期(4~9月)の販売台数を見ると、トヨタ ライズが3万7348台で6位、ダイハツ ロッキーが8591台で29位となっている。台数の差は両社の販売店の数の違いだ。合計すると4万5939台となり、5位の日産「ノート」(3万9393台)、4位のトヨタ「アルファード」(4万5565台)を抜いて実質4位に躍り出る(自販連調べ)。それにしてもモデル末期のアルファードの強さよ。
こんなにヒットしているのに、今回トヨタ/ダイハツは手を緩めずマイナーチェンジし、バリエーションを増やした。具体的には彼らが「e-SMART HYBRID」と呼ぶ、シリーズハイブリッド方式の電動パワートレーンと1.2L直3自然吸気エンジンの追加だ。両方ともFWDのみの設定で、元々設定されていた1.0L直3ターボは、4WDモデルの専用エンジンとして引き続き使われる。今回はe-SMART HYBRIDのライズと1.2L自然吸気エンジンのロッキーに乗った。
シリーズハイブリッドと聞いて真っ先に思い浮かぶのが日産の「e-POWER」だ。今回のe-SMART HYBRIDの追加が、e-POWER搭載モデルのヒットを強く意識した動きであることは間違いない。1.2L直3自然吸気エンジンはe-POWER同様、発電に徹し、駆動には関与しない。e-POWERとの一番の違いはバッテリーの電力量(容量)だ。
e-SMART HYBRIDもe-POWERも、エンジンが発電した電力でモーターを駆動するのだが、その間にバッテリーが介在する。バッテリーがあるおかげで、発進と同時に毎回エンジンが始動して発電するわけではなく、まずはバッテリーに蓄えられた電力で発進し、残量が一定以下に減るとエンジンがかかるという仕組み。ただ容量はわずかなので、発進してしばらくすると毎回エンジンがかかるし、急発進すべくアクセルを深く踏むと、発進と同時にエンジンがかかる。
約0.74kWhと容量がe-POWER(約1.5kWh)の約半分にとどまるe-SMART HYBRIDは、したがって発進するとe-POWERよりも早いタイミングで、また高い頻度でエンジンがかかる。つまり駆動は100%モーターだが、エンジンもだいたい常にかかっている。バッテリー容量が小さいのはコストを抑えるため。良品廉価を基本思想とするダイハツは、よい技術でも高ければ採用しないのだ。
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