変わってないようで、実は大きく変わった新型ロードスター。9年目で初の大幅改良に踏み切ったワケ
掲載 carview! 文:編集部/写真:市 健治 43
掲載 carview! 文:編集部/写真:市 健治 43
シャシー領域でも小さいながら大きな変更があった。操安性能開発部で首席エンジニアとして活躍する梅津大輔氏らが生み出した「アシンメトリックLSD」と電動パワーステアリング(EPS)の改良だ。
齋藤氏も「梅津が毎回良い提案をしてくれる。走安領域はどうしてもサスペンションをいじりたくなるのだが、前回のKPC(キネマティックポスチャーコントロール、写真:49~50枚目)に加え、こんなやり方があるのかと驚いた」と語っていた。
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アシンメトリックLSDは、円錐クラッチLSDに減速側・加速側それぞれ異なるカム角を設定したトルク感応型のLSD。減速旋回時において、車体が前のめりになりリアが不安定になるのを抑制しつつ、加速時はスムーズにコーナーを立ち上がるようマイルドな効きに味付けされている。
新開発のEPSは、ステアリングギアの構造変更でフリクションを低減し、モーター制御を内製化することで制御を緻密に変えた進化版。ラックエンドブッシュを廃し、よりダイレクトなステアリングフィールを実現している。
実際に新旧を乗り比べてみると、アシンメトリックLSDと新型EPSの相乗効果で、ターンインでは非常にスムーズかつ的確なフィードバックをハンドルから伝えてくれ、安心してコーナーに飛び込むことができる。
もちろん改良前のモデルも運転していて楽しいのだが、充分だと思っていたステアリングの手応え(反力)が、新型に乗ってしまうと少し物足りなく若干抜けるような印象となり、車両が不安定に感じてしまう。あくまで比較するとの話ではあるが……。
(次ページに続く)
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