「AMG」ってどんなブランド？ 最新「GT63S」で思い出す名車中の名車「190E3.2」はなぜ世界を魅了したのか

AMG GT、AMG 190E3.2

F1の技術をフィードバックした816㎰の怪物

最新のメルセデスAMGは、モータースポーツ、とくにF1からの技術をフィードバックして市販モデルのパフォーマンス向上を実現している。その代表例が「Eパフォーマンス」と呼ばれるハイブリッドシステムである。

Eパフォーマンスは、ハイパワーモーターと連続ブースト、そして瞬時のエネルギー供給を可能にしたAMG自社開発の高性能バッテリーを搭載。電気と内燃エンジンの組み合わせによって、従来にない高性能を追求する。

先日、最新の「GT63S Eパフォーマンス・クーペ」をドライブしたが、その速さは筆舌に尽くしがたいレベルだった。

まさにワープ感覚。アクセルを踏むと、瞬時にはるか先に到達しているかのようなイメージだ。一般道では、この速さは完全に持て余す。

筆者の腕では、サーキットに持ち込んでもフルにポテンシャルを引き出すことは難しい。

なんといっても、そのパワートレインは4.0L V型8気筒ツインターボエンジン（612ps／850Nm）に専用モーターと高性能バッテリーを組み合わせたもので、システム全体で816ps／1420Nmを発揮する。

スタイリングこそフェラーリやランボルギーニと比べて控えめだが、パフォーマンスは完全にデンジャラスゾーン。なにしろ1420Nmである。

超高度な電子制御テクノロジーを駆使して高い安定性を確保しているとはいえ、相当な暴れ馬に違いない。

AMGは、この超高性能をメルセデス・ベンツの高いクオリティと信頼性とともに提供している。その高い技術力には敬意を示さずにはいられない。

凄いブランドだと感心すると同時に、AMGに魅了された初めてのクルマ「AMG 190E3.2」を思い出す。時は1988年へと遡る。

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