ついに花咲く時が来た!? カスタム系パレット登場
掲載 更新 carview! 文:まるも 亜希子 /写真:中野 英幸
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たとえばヨーイドン! で、運転席にいた大人が後席のチャイルドシートから子供を降ろすまでのタイムを計るとする。全ての乗用型軽自動車の中で、トップタイムをマークするのはおそらくパレットだろう。その理由はそのまま、ガチンコライバルと目されているダイハツ・タントとの違いでもある。
どちらも、限られた枠の中に巨大空間を創り出した、スーパーハイトワゴン軽ではあるが、タントは助手席側のみがスライドドアなのに対し、パレットは両側がスライドドア、つまり「運転席側のリヤドア」もスライドドアである。この違いが実は、生活のいろいろなシーンで使い勝手の差を生んでいる。子供を乗せてママが運転するという、子育て世代の平日昼間に多い状況において、よりスライドドアの恩恵を受けられるのはどちらか? と考えると、それは間違いなくパレットなのである。
であるにもかかわらず、相変わらずタント人気は根強く、販売台数では大きく水をあけられっぱなし。「なぜ、この魅力が伝わらないのか? 」とスズキが悩むのも無理はない。そこで原因究明が行われたわけだが、まずひとつにはデザインの問題があった。タントにはワル顔のカスタムがあるが、パレットはあえて標準デザイン一本で勝負したのだった。が、ワゴンRからの代替え層を受け入れる役目も持つはずのパレットに、スティングレー派の反応は今ひとつ。期待していた奥様層からも、「目が大きすぎてコワイ」とフラれてしまった。今回追加された新デザイン、SWはこうした声に応えたものだ。
そしてもうひとつは燃費や動力性能の問題。タントにはCVTグレードが用意されたが、パレットはNAもターボも4ATのみだった。しかし、ユーザーにはすでに「ATよりCVTの方が燃費がいい」という認識が定着しつつあるという。それならばと、パレットは副変速機構付CVTを堂々、市販車で世界初搭載して再登場したのである。
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