【まさに伝説級】最新AMG「E53ハイブリッド」に試乗して思い出す。ポルシェ・チューンのW124型「E500」という異端の存在

E500（W124）

「E500」はポルシェが仕立てた特別な1台

W124型「E500」は、スタンダードなW124とは構造面から異なる設計が施されたモデルだった。もともとV型8気筒エンジンを搭載する想定がなかったW124に、5.0Lの「M119」型 V型8気筒エンジンを搭載するため、ボディ前半部は専用設計となり、構造自体が異なる。

シャシーコンポーネントも当時の「500SL（R129）」と多くを共用していた。

ステアリング、リンク類、ナックル、アクスル、ストラット、アーム類など、足回りの多くがSLと同仕様である。リアにはレベライザー機構が採用され、トレッド幅もフロント＋37mm、リア＋38mm、車高は約30mmダウンしていた。

搭載されたエンジンは、可変バルブ機構付きのM119型。出力は330ps/5700rpm、最大トルクは50kgm/3900rpm（のちに325ps/49kgm）とされ、トランスミッションは大トルク対応の4速AT。

0-100km/h加速は6.4秒、最高速度は250km/hを超え、当時としては異例の動力性能を誇っていた。筆者が所有していたのは最終型の1995年モデル。

1992年モデルまではポルシェが製造を請け負っていたが、それ以降はメルセデス本社工場での製造に切り替わっている。