「荷物も積めない電気GT」でブランド再建なるか？ ジャガーの次世代EV戦略が抱えるリスク

ポールスター5

「リアウィンドウ廃止」という大胆な設計がもたらす課題

今回明らかになった特徴のひとつが、リアウィンドウの廃止です。

ジャガーはポールスター「4」や「5」のように、後方視界をカメラモニターに置き換える構造を採用するとみられます。これにより空力性能の向上やデザインの自由度を得られる一方で、実用性への影響も少なくありません。

さらに、トランク開口部のサイズは小さく、サイドシルが高いため、荷物の積み下ろしにはやや工夫が必要です。後部座席の奥に収納した荷物を取り出す際には、体を深く乗り出さなければならない構造で、背の低いユーザーにとっては扱いづらい場面もあるかもしれません。

高級GTとはいえ、日常的な使い勝手を重視する層にどのように受け入れられるかは未知数です。

技術面の詳細はまだ限られていますが、航続距離は約800km前後と予想されており、急速充電では15分で300km以上走行できる性能を目指しているようです。ジャガー史上最も高性能なモデルになるとみられ、電動化時代における同社の技術力を示す指標にもなりそうです。