カービューロードスター 初優勝までの舞台裏!
掲載 更新 carview! 文:伏木 悦郎/写真:北畠 主税
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決勝はローリングスタート。2時間前倒しのスケジュールとともに今年の『4耐』の大きなトピックだった。スターティングドライバーはメディア代表者が務めるルール。「首都高の“よ~いドン!”と一緒でしょ? 任せといて」とタクは、過去3回の変則ルマン式の時とは違う自信に満ちていた。
約10分遅れでローリング開始。そして14時12分、グリーンフラッグとともにレースの火蓋は切って落とされた。「編集長、速いじゃん!」今回のレースでタンボちゃんから何度も聞いた言葉だが、スタート前の予言通り、タクはオープニングで4台抜いてホームストレートに帰って来た。朝の公式練習の際にも進歩の証を示していたが、聞けば前夜『GT5(グランツーリスモ5)』でみっちり練習を積んできたらしい。効くんだよな、あのシミュレーションゲーム。
その後もコンスタントにラップを重ね、ノーミスで2番手のランチアにバトンタッチ。満足の表情でマシンから降り立った。常に8位以内をキープし、一時暫定トップに躍進したのではなかったか? 上出来、上出来。
ランチアに交替する直前に雲行きが怪しくなり、ウェットコンディションになる気配が濃厚になっていた。4番目のスティントの担当となっていた僕は、みんカラ読者の対応やらなんやらで、実はレースの途中経過には身が入らなかった。最初のピットインでは幌が立てられ、ルーティンワークを卒なくこなしたようだった。
滑りやすくなった路面に足を取られるチームがあり、途中セーフティカー(SC)が出動するシーンも。スタックしたマシンは一度だけレッカーで救済される規定で、その間SCがレースをコントロールするルールなのだ。
第2スティントは各チームともエース級を揃える。若いランチアの踏ん張りどころだが、難しいコンディションを手堅くまとめ6位に上げてタンボに交替した。親子で耐久レースを戦い、直接ステアリングを受け渡す。アマチュアレースとはいえ、クルマ好きならこれ以上ない幸せな瞬間ではないだろうか? この親子は、羨ましい境遇を4年も続けて手にしている。しかも、この後彼らは日本では稀と言える至福の時を迎えるである。
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