【あなたはどちらを選ぶ？】家電的な「ルーミー」か、味わい深い「ソリオ」か。“炊飯器”理論で見極める選択術

トヨタ ルーミー

走りの違いは歴然。でも選ぶ基準は人それぞれ

もちろんソリオには、筆者の主観によればルーミーを大幅に上回るドライビングプレジャーというか、「しっかり感」のようなものがある。

ソリオも、ある意味「しょせんは手頃な価格の小型トールワゴン」であるため、超絶ハイレベルなドライビングプレジャーやしっかり感が感じられるわけではない。

だが競合であるルーミーと比較した場合のそれは段違いであり、200万円ちょいという車両価格とのからみで考えた場合でも、あの価格であのしっかり感を実現させたソリオは「あっぱれ！」と言うほかないのだ。

しかし冒頭付近で申し上げたとおり、ソリオやルーミーを「家電のようなモノ」ととらえた場合は、そこ（走りうんぬん）は割とどうでも良くなる。

筆者も、クルマの場合は走りの質感のようなものにかなりこだわって選ぶが、一般的な家電を買う場合は「機能がまずまずで、デザインがダサくなく、なおかつ高額ではないこと」という軸だけで選んでいる。掃除機を買う際に「吸引フィール」にこだわって選んだことは一度もない。

それゆえ、「家電的なクルマ」としてのトヨタ ルーミーがバカ売れする理由はよくわかるつもりであり、それを購入する人をとがめるつもりもいっさいない。