新型ゴルフはコネクト性能でライバルを圧倒。トヨタの技術者は3~5年遅れを取ったと危機感を強めた
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:フォルクスワーゲンAG 217
掲載 更新 carview! 文:岡崎 五朗/写真:フォルクスワーゲンAG 217
74年の初代デビュー以来、いつの時代も「ゴルフ」はベーシックカーのメートル原器だった。新型ゴルフが登場すると他の自動車メーカーは真っ先にゴルフを購入し、走らせ、バラバラにして調べる。その結果、数年後にはゴルフにほぼ追いつくものが出来上がるのだが、新型ゴルフが登場すると再び遠く引き離される。45年間、その連続。そんなアドバンテージはマーケットにも歓迎され、これまで3500万台以上のゴルフが世に送り出されてきた。
ここで、大衆車ではなくあえてベーシックカーという言葉を使う理由に言及しておきたい。僕は大衆車という言葉が嫌いだ。大衆車という言葉には「我慢」とか「庶民はこんなもんで十分だろ」というニュアンスが含まれていて、それに違和感を覚えるからだ。その代表例が先代までのカローラ。新型では見違えるような進化を果たしたけれど、先代はまさに大衆車を地で行く存在だった。
その点、ゴルフは常に「何も足すところがないが、何も引くところもない」というベーシックカーのあるべき姿を追求し続けてきた。モデルチェンジを重ねるにつれ大型化し、装備を充実させ、質感も走りも引き上げてきた背景には「先進国に暮らす人々がいま求める、あるいはいま享受すべきクルマ像とはこういうものだ」というフォルクスワーゲンの確固たる信念があった。大衆車とベーシックカーは、その思想面において別モノである。
さてベーシックカーのメートル原器となることを宿命づけられたゴルフだが、実は8代目となる新型ゴルフ(以下「ゴルフ8」)にはデビュー前から一抹の不安を感じていた。ご存じのように、欧州と中国を中心に電動化の動きが活発になっている。とりわけフォルクスワーゲンはドイツメーカーのなかでもっとも積極的にEVを開発し、売っていこうとしている企業だ。同社の公式発表を読み、経営トップの発言を聞くたびに、おいおい、本当に大丈夫なのか? それってEVと中国と心中しかねない大博打だぞ? と思わずにいられない。
実際、2019年のフランクフルトモーターショーでゴルフのお披露目はなく、代わりにゴルフサイズのEVである「ID.3」が華々しく発表された。しかもその場でフォルクスワーゲンの幹部から「ゴルフとの競合? エンジン車が好きな人はゴルフに乗ればいい」と、超主力車種であるゴルフを軽視するかのような発言が飛び出したのだから穏やかじゃない。ただでさえディーゼルゲート関連の損失がいまだ重くのしかかっているというのに、EVに前のめりな経営陣は電動化への数兆円規模の巨額投資をすることを決定している。となれば既存車種の開発コストは削られ、それがゴルフ8にマイナスの影響を及ぼす可能性は否定できない、というのが僕の見立てだった。
果たしてゴルフ8は電動化という大きな流れのなか、どんな仕上がりを見せてくれたのか。ポルトガルで開催された試乗会のレポートをお届けしよう。
ログインしてコメントを書く
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
うつりゆく“逆さ富士”を映す「秀峰閣 湖月」の足湯テラス【心を満たす温泉宿24選】
初代NSXが蘇る!ホンダ、純正部品復刻とレストアを融合した新サービス始動へ
特別なグリーンカラーが誇らしい。ポルシェ「911 GT3」に新たなコレクターズカー
内燃機関マニア必見!エンジンの仕組みを丸裸にしちゃうスマホアプリがリリース【動画あり】
コレが商用モデル!? 2人乗り仕様「ディフェンダーハードトップ」日本初導入
ランチア・コルセHFがWRC2のドライバーラインアップを発表。ロッセルとグリアジンのダブルエース体制に
Voge「“新型”クルーザー」発表! “サラミスライス”のサイレンサーで個性を主張! 中国ブランド最新モデル「CU625」とは?
超希少! 三重県にしかないNSXパトカーの限定ミニカーについ財布の紐も緩みそう! もはや自分へのクリスマス!?
インパクトがあるのは身長だけじゃない! 元マクラーレン育成ウゴチュクがSFテストで驚きの最速タイム。来季F3でも大躍進の予感「自信がある」
日産「“新型”SUV」世界初公開! 横一文字「ライト」&ツルツル顔がイイ! 全長4.8m級の「ちょうどいいサイズ」採用の「NX8」中国で登場
取り回し... 知らん! 威圧感ハンパない「ハーレーダビッドソン」がオークションで落札 ツーリング向けに大幅カスタマイズされた「エレクトラグライド」の価値とは
TOYO TIREが「東京オートサロン2026」出展へ! オプカン・プロクセスのデモカー集結&GT7王者社員と対決
希少な“4ドアV8セダン”のレクサス「IS500」か2ドアクーペのBMW「M2」か? ほぼ同額の2台を比べると米国ユーザーが実用性と日常性で選ぶ軸が見えてくる
「日産ブースどうだった?」20代女子3人に聞いたら“マンガの世界観”が好印象も…“市販車だけ”なのは賛否両論
【トヨタが商標を再び出願】「MR2」後継は“MR-S”の名で復活か? 「GR GT」公開で高まるミッドシップ再来の期待と“謎のプロトタイプ”の正体
S耐由来の限定車「MSRロードスター12R」と「BRZタイプRA」が相次いで登場。人気殺到の裏にある「本物のストーリー」とは
【軽さが「アルト」を救う】次期型は“最大120kg減”の可能性も。燃費32km/L超&コスト削減で“軽が高すぎ問題”にスズキが本気で挑む
「ランドクルーザーFJ」と「新型RAV4」はほぼ同じサイズなのに中身がヤバいほど違う? 知らずに買うと後悔するポイントとは
ブランド化した「センチュリー」に勝機はあるのか。超富裕層を納得させるために必要な“二文字”とは
【日本仕様にも“この黒テイスト”が欲しい】タイ版「ヤリスクロス」に“ナイトシェード”登場! 約444万円の最上級グレードは「ハリアー」級の仕立て
レンタカーと大差ない? “クルマのサブスク”のメリット・デメリット。若者にジワジワ浸透する“意外な理由”
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!