アウディの新型A8はレベル3自動運転も織り込まれたハイテクの塊
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:アウディ ジャパン
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:アウディ ジャパン
エンジンはガソリン3.0L TFSI V6ターボと4.0L V8ターボが日本に導入される。アウディのV型ターボはバンク内にツインスクロールターボを搭載するホットVコンセプトで、排気管の長さが短いため、ターボのレスポンスがシャープになる。3.0L V6 TFSI(55 TFSI)は最高出力340ps、最大トルク500Nmを発生。また、460psのV8ターボはシリンダーオンデマンドと呼ばれる気筒休止システムを持っている。
V8はさらなる高級感を漂わせるために、アクティブノイズキャンセレーション(ANC)によって逆位相の音をスピーカーから発生させて共鳴音を打ち消す。さらに車体への振動の伝達を大幅に減らすアクティブエンジンマウントも採用している(W12も搭載)。ギアボックスはZF製8速のトルコンAT(ティプトロニック)を持っているが、コースティング後のエンジン復帰でも、繋がりがスムースでショックはほとんど感じられない。変速だけでなく、走行中のエンジンのストップ&ゴーなど、パワートレーンが非常に洗練された印象だった。
このエンジンには共に48Vのサブ電源が装備される。色々なユニットがモーターで駆動するようになった今、12Vでは電力が不足する。それを補うのが48Vを使う理由だ。同じワット数なら電圧が高いほうが電流が小さくなるので、電線も細くできる。アウディA8で使われるハーネスの総延長はたぶん4000m(富士山より高い)を超えていると思われるので、48Vは軽量化にも貢献する。この48V化による燃費削減効果は約0.7L/100kmとアウディは公表している。燃費換算で5~6%は無視できない。この48Vシステムはオルタネーターで回生できるマイルドハイブリッドとしても機能するので、走行中にエンジンを止めることも可能だ(コースティング)。P3後半で述べるが、48Vのモーターを使ったアクティブ・サスペンションも圧巻だった。
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