新型ハリアーはクーペを思わせるエレガントさが持ち味のザ・売れ線SUVになった
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 354
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 354
採用されるパワートレーンのラインアップは、車台を共有するRAV4に準じる。2.5L直4エンジンにTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)IIを組み合わせたハイブリッド仕様と、トヨタの最新世代のエンジンであるダイナミックフォース2L直4エンジンとCVTを組み合わせたガソリン仕様があり、そのどちらでもFWDと4WDを選ぶことができる。この日、ハイブリッド4WD(リアはモーター駆動の電子式4WD「E-Four」)、ハイブリッドFWD、ガソリン4WDの3種類を試乗した。
ハイブリッドシステムは、RAV4への採用以来、後輪を駆動するモーター容量が拡大されていて、いわゆる昔ながらのオンデマンド4WDのように前輪が滑ってどうしようもない場合に限って後輪が駆動するのではなく、さまざまなパラメーターによってそのほうがよいとなれば積極的に後輪が駆動するため、トラクション能力に優れ、純粋に走らせて楽しい。システム全体の最高出力は222psに達する。
そのリア駆動がないとどう変わるのだろう?と興味津々でFWDのハイブリッドに乗り換えると、ほぼ同じように気持ちよく走らせることができた(笑)。さっき感じた好印象はリアモーター駆動によるものではなく、ハイブリッドシステムに含まれる動力分割機構の制御のきめ細かさや足まわりを含む車体性能の高さによるものだったようだ。RAV4で雪上を試乗した経験からいうと、低μ路ではE-Fourがわかりやすく真価を発揮するはずだ。
RAV4で感じたのと同様に、ハリアーにおいても予算に余裕があってもガソリン仕様を選ぶという人がいても十分理解できる。“それはそれで的な”良さがある。実際に速さを計測すればハイブリッドのほうがほとんどの局面で速いはずだが、体感的な力強さはさほど変わらない。このエンジンが2L自然吸気エンジンとしては異例の高効率エンジンだということもあるのだろうが、CVTの出来がよいからだと思う。発進専用のギアが機能して鋭くダッシュできるほか、一定以上の負荷をかけた加速時に無段階に変速するのではなく、普通のATのように一段ずつ変速しているかような制御が入っていて、自然な加速フィーリングを得られる。効率だけを考えればこの制御は邪魔なはずだが、フィーリングを重視している。こうしたことの積み上げが、なんか昔のトヨタと違う……と感じる人を増やしているのだと思う。
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