新型ハリアーはクーペを思わせるエレガントさが持ち味のザ・売れ線SUVになった
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 354
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:篠原 晃一 354
パワートレーンを問わずハリアー全体に共通するのは、乗り心地がマイルドそのものだということ。サーキットなので路面に不整部分はないのだが、ピットロードにあるわずかな段差や、あえて乗り入れたコース端の縁石をさまざまなスピードで通過してみても、身体に感じるのはあくまでマイルドな入力で、いわゆる突き上げがない。同じ車体と同じサスペンションパーツを使うRAV4も決して不快ではないし、ボディ剛性が高く一般的には乗り心地のよいクルマだが、入力は入力としてもっとはっきり身体に感じた。ハリアーの場合は同じ段差を超えても、ぶ厚い座布団で弱められたかのような振動しか尻に伝わってこない。ステアリングホイールおよびペダル類の操作フィーリングにも、乗り心地と統一されたマイルドな印象を得た。
ハリアーは脱SUVを果たした。試乗後の感想を一言で表現するならこうなる。SUVに乗っているという感覚が薄い。姿かたちはSUVだが、乗る人がどう乗りたいかによってクーペにもサルーンにもSUVにも思えてくるのではないか。それが“都市型SUV”というコンセプトで歴代をヒットさせてきたトヨタが、ハリアーで提供したかった世界なのだろう。新型ではそれはとてもうまくいっていると思う。トヨタが、同時に同じコンポーネンツを使ってWild but FormalなハリアーとWild and CasualなRAV4をつくり分け、多岐にわたるSUV需要をごっそりもっていこうとしている。
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